【ガラパゴス諸島IPS=マーク・ワイゼンミラー】
「時を忘れた島」と呼ばれるエクアドルのガラパゴス諸島では、生態系を壊してしまう外来種との闘いが長年続いている。
諸島の13の島はそれぞれの生態系を持っている。たとえば、数百万年前の火山の爆発によってできたバルトロメ島では、アシカやガラパゴスペンギン、エイやサメを見ることができる。サンタクルス島では、イグアナやマネシツグミ、フィンチが見られる。
ブラックベリー、グアバ、パッションフルーツなどと聞くと魅力的だが、ここでは生物の多様性を損なってしまう危険な植物だ。というのも、これらの植物は蔓を伸ばして他の植物から日光を奪ってしまうからだ。ブラックベリーなどの種子は渡り鳥によって運ばれたり風によって飛ばされることによって別の島に根付く。
これらの植物を根絶やしにするためには、除草剤を撒いたり、昔ながらのやり方で手作業で刈っていくしかない。
他方、ヤギや豚、猫や犬といった1800年代に持ち込まれた動物も大きな問題を引き起こしている。ヤギは、一時期13万頭にまで膨れ上がった。しかし、銃で撃ったり毒殺したりして今ではわずか頭数300にまで抑え込まれている。しかし、この数を今後維持していくのが大変なのである。
また、増加する観光客の問題もある。ただし、観光客は諸島のあらゆるところに行けるわけではない。場合によっては、観光客よりも、車を走らせたり不適切な下水システムを使ったりしている地元住民の方が環境に悪影響を与えていることもあるという。
ガラパゴス諸島の生態系維持の問題について報告する。(原文へ)
翻訳=山口響/IPS Japan浅霧勝浩