【アブダビWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)のアンワル・ムハンマド・ガルガーシュ外務大臣は、モハメッド・アリ・ファイヤーズ駐UAEイラン大使を召喚し、先般マフムード・アフマディネジャド大統領が占領中のUAE領土であるアブムサ島を訪問したことについて正式に抗議する書簡を手渡した。
ガルガーシュ外相は、「(4月11日の)大統領の訪問はUAEの主権を侵害するのみならず、当該領土問題を2国間の交渉を通じて解決を図るとして両国間の合意を反故にするものであると非難した。
またガルガーシュ外相は、「イラン大統領の訪問によって、歴史や法的な事実が変わるものではありません。これによって、UAEのアブムサ島、大トンブ島、小トンブ島の3島に対する領有権が影響をうけることは全くないのです。」と付加えた。
同抗議状には、「今回のイラン大統領による訪問は、2国間協議を通じて平和的に解決を図るとした両国間の合意に至った外交努力を損なうものである。」と記されている。また同書簡には、「UAEはイランとの合意を遵守し、湾岸地域の安全保障と安定に寄与する環境作りに努めてきた。」と記されている。
UAEのこの外交姿勢は、平和的な解決こそが最も望ましいとする信念に基づくものである。
ガルガーシュ外相は、駐UAEイラン大使に対して、改めてUAEによるアブムサ島、大トンブ島、小トンブ島の3島に対する領有権を主張するとともに、イランがこれらの島々の占領を止め、領土問題を2国間交渉か国際司法裁判所の裁定に委ねるべきとするUAEの正当な主張に注意を払うよう要請した。」。(原文へ)
翻訳=IPS Japan戸田千鶴