ニュース|フランス|アフリカの独裁者との腐敗した関係に新たな疑惑

|フランス|アフリカの独裁者との腐敗した関係に新たな疑惑

【パリIPS=ジュリオ・ゴドイ】

フランス各地で汚職事件が問題になる中、クシュネル仏外相がアフリカの独裁者とのビジネスに自らの立場を不当に利用した疑惑が起きた。クシュネル外相を告発したのはジャーナリストのP. ペアン氏による、「Le Monde selon K(Kによる世界)」という著作である。 

この作品によると、クシュネル外相が共同所有し、政策助言業務を行っているIMEDIA 社とアフリカン・ステップス社が、腐敗した独裁者が統治するガボンとコンゴ共和国の政府との有利な契約を得たのは、同外相が医療協力組織の代表を務めていた時だった。ガボンのボンゴ大統領とコンゴのドニ・サスヌゲソ大統領は姻戚関係にある。 

ペアン氏は両アフリカ政府の公式文書によると460万ユーロがクシュネル外相の関与する二社に医療部門のコンサルタント料金として支払われたと主張し、助言は違法ではないが、同外相が当時アフリカ諸国に医療協力を行うEstherの代表を務めていたこと、最後の支払い時には外相に就任していたことを問題としている。

 IPSは証拠となる書類のコピーを入手した。ペアン氏はクシュネル外相が築いている清廉潔白なイメージとの落差を批判する。クシュネル氏は1980年代に社会党員になったが右派のサルコジ政権下で大臣になるために党を離れた。外相は疑惑を否定し、アフリカ政府への医療支援は誇るべき仕事であり、ペアン氏を名誉棄損で訴えると発言した。 

相手がアフリカの独裁者であることもクシュネル外相への疑いを強める要因となっている。組織金融犯罪対策の警察機関OCRGDFによると、両大統領には仏国内に莫大な資産があり、ボンゴ大統領個人でパリと南フランスに33カ所の不動産を所有している。 

2007年末に人道活動組織の告訴でアフリカの独裁者の資産に関する捜査が開始されたが、不正を示す証拠にも関わらず捜査はいったん打ち切られた。昨年12月に汚職監視組織トランスペアレンシー・インターナショナルが新たに告訴したことから捜査は再開されている。 

それでもアフリカの独裁者が裁決や制裁を受ける可能性は低い。サルコジ大統領のそうした国への支援は揺るぎない。 

2008年1月に国際協力担当のボケル副大臣は、国家元首によるアフリカの資源の無駄遣いという発言により免職となった。ペアン氏によると、クシュネル外相にアフリカ諸国から苦情が告げられた。現在ボケル氏は国防省の退役軍人担当副大臣を務めている。 

フランスのクシュネル外相の疑惑について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 

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