【カンパラIPS=ジョシュア・キャリンパ】
古代エジプトで紙の原料となり、現在もコンゴやウガンダなどの地域で自生しているパピルス。特に政府軍と反政府勢力CNDP(人民防衛国民会議)との戦闘悪化で大量の難民を出したウガンダでは、このパピルスから作られる安価な女性用衛生用品が多くの貧困女性を救っているという。
ウガンダ西部キエンジョジョ県の難民キャンプKyaka2でも多くのコンゴ難民が暮らしているが、その生活は極めて過酷だ。しかし最近、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支援を受け、周辺の湿地で豊富に生育しているパピルスを利用したサニタリー・パッド(生理用ナプキン)の製造・販売が女性の間で盛んに行われている。
ウガンダのマケレレ大学のMoses Kiiza Musaazi教授は、パピルス製サニタリー・パッドの製造を開発。低い生産コストで効率的な収益を上げることができる製造方法により、今ではこの難民キャンプだけで1日に約1,000枚も生産している。
海外から輸入されたサニタリー・パッドの市場価格は通常1枚およそ2ドル。一方、パピルス製のサニタリー・パッドは1パック(10枚入り)900シリングで売られている。1枚当たり僅か約50セントほどである。
この難民キャンプでは現在、60名の女性がサニタリー・パッドの製造に従事している。そのうちの1人は「最近新しいベッドを購入しました。髪も結えるようになったし、子どもの世話もできるのです」と、自活できる喜びを語った。
ウガンダでは800万人の女性がこのサニタリー・パッドを必要としている。そして、Kyaka2の難民が作った製品は市場に流れ、毎月およそ100万ドルの収益を上げている。ウガンダの難民キャンプで行われているパピルス製の衛生用品について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩
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