INPS Japan/ IPS UN Bureau Report|インド|ムンバイ同時テロに同情、悲嘆にくれるパキスタン人

|インド|ムンバイ同時テロに同情、悲嘆にくれるパキスタン人

【カラチIPS=ビーナ・サルワール】

インド西部のムンバイで26日に起きた大規模な同時多発テロは、米国が対テロ戦争の前線基地としているパキスタンに様々な反響をもたらした。新聞やテレビといった主要メディアの他、パキスタン人が運営するインターネット上のチャットでは同事件の話題で持ちきりだ。 

今年9月20日、パキスタンの首都イスラマバードの米国系マリオット・ホテルで起きた自爆テロ事件は『パキスタンの9・11』と呼ばれた。一方、現時点で155人の命が奪われた今回のインドでの事件『インドの9・11』は、さらに大きな衝撃を全世界に与えている。 

このテロ事件は印パ間で5回目となる和平協議が行われている最中に起きた。従って、今後印パ両国間および国際社会に及ぼす影響は計り知れないと予測される。

  パキスタン人の専門家は印パ国境付近で頻発している暴動に対する政府の弱腰の姿勢を非難。「犯人たちが大量の武器を国内に持ち込んだこと、戦闘員によって人質事件の周到な準備が行われたことについて、インド政府の監視の未熟さが指摘される」と述べた。 

テロや暴動を起こす人間には『左派過激派』、『分離独立主義者』、『宗教過激派』といった明確な特徴がある。2006年、テロ関連の暴動でインドでは2,765人、パキスタンでは1,471人が犠牲になった。 

「帝国主義国家はこれまでインドネシアからモロッコに至るイスラム国家の独裁政権を支援し、その結果として民主主義の欠如が多くの人々を社会の進歩から取り残してしまった。これこそが今回の事件の背景にある真実だ」と、カラチで働くビジネスマン、Tahir SiddiquiさんはIPSとの取材に応じ語った。 

パキスタンのシャー・マフムード・クレシ外相はインド・パキスタンの両国はテロの犠牲者であることを強調。両国が9月に合意した『反テロメカニズム』の強化と、安全保障政策の再検討の必要性を訴えた。 

人権保護のための監視機関Human Rights Commission of Pakistan(HRCP)のIqbal Haider氏は「我々はインドの人々の苦悩や怒り、悲しみを理解し共有できる。両国は互いに非難しあうのではなく、テロリストの企みを打ち破り、武装集団の撲滅に向けて結束していかなければならない」と話した。 

インドの同時テロ事件がパキスタンに残した波紋について報告する。(原文へ) 
 
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩

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