【バスラIPS=ダール・ジャメイル、アーカン・ハメッド】
デンマークの新聞を初めとしてヨーロッパ各地の新聞にムハンマドの風刺画が掲載され、イラク占領に対する住民の怒りを増幅させる形になっている。
イギリス軍が駐留しているバスラに住む43歳の食品小売業、アリ・シェハブ・ナジムさんは、「私たちバスラの人間は、イギリス軍とどのような形であっても協力しないことを決めた。このバスラの占領者は侵略者であり、彼らの必要とするものを私たちは彼らに売らないことにする」と語った。
ナジムさんによれば、人々は特に、デンマーク軍がイラクに駐留していることに怒っているという。彼は、はじめは占領軍の存在を受け入れていたが、いまや、自分たちは彼らを尊重などしていないことを示すときだ、という。
さらに、英軍兵士が若いイラク人をこぶしや棒で殴っている映像が最近公開され、バスラ知事は、今後英軍との関係を断ち切ると発表した。共同パトロールもやめる。バスラ議会の元議長カシム・アタ・アルジョウボリ氏は、「イラクはこの35年間苦しんできた。しかしいま、われわれの国に侵略してきた外国人に拷問を受けている」と語った。英軍と協力するどころか、彼らと闘うことすらいま人々は考え始めている、とアルジョウボリ氏は語った。
最近、オーストラリアのテレビ局SBSが、2003年にイラクのアブグレイブ刑務所で起こった虐待の様子を収めた新しい映像と写真を放送した。これらは以前のものよりも残虐性や性的刺激の点において程度が強く、他のメディアが公開を躊躇したものであった。これらの中には、米自由人権協会(ACLU)が情報公開法で取得した写真も含まれている。また、「憲法権利センター」のある弁護士は、ワシントンポストなどの有力紙はこうした写真を実際には保有しているにもかかわらず、米国政府からの圧力により公表を避けているのだろう、と語っている。
イラク占領に対する新たな怒りの声を伝える。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩
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