地域アフリカ|ケニア|メディアを標的にした法律に抗議

|ケニア|メディアを標的にした法律に抗議

Media representatives gather in Nairobi to protest against the Media Council of Kenya Bill. Credit: Joyce Mulama
Media representatives gather in Nairobi to protest against the Media Council of Kenya Bill. Credit: Joyce Mulama

【ナイロビIPS=ジョイス・ムラマ】

ケニアのメディア関係者は、情報源の公表を強制して報道の自由を侵害する法律に抗議するデモを行った。ケニア・メディア委員会法は、今月初めに議会を通過し、大統領の承認を待っている。新法は「法廷闘争で必要な場合、編集者は情報源を公表する義務がある」と定めている。

数百人のジャーナリストたちは猿ぐつわをはめた象徴的ないでたちで、キバキ大統領が法案を承認しないよう求め、ワコ司法長官事務所および国会議事堂までデモ行進を行った。こうしたデモはケニアでは初めてのものである。参加者たちは、新法が承認されると取材源を明かすことが強制され、取材協力者を守れなくなり、報道の自由が失われると訴えた。

パリに本部のある「国境なき記者団」は8月7日にキバキ大統領宛てに書簡を送り、法律を承認しないように求めた。「ジャーナリストは警察や裁判官ではなく、民主政府は報道機関に情報提供者や検察の役割を求めない」とこのメディア監視組織は指摘した。「取材源の公表は職業としての機密保持の原則だけでなくジャーナリストの倫理観を侵害する」

ケニアの法曹界は、司法長官同様、法制化に対し慎重である。司法長官は14日に「大統領には承認せず議会に戻して、問題の条項の削除あるいは修正を求めるよう助言する」と声明を出した。ケニア政府は法案の草稿中に報道関係機関との対話を求めており、その点は評価される。だが最後に追加された、国連の推奨する基準に違反する条項が合意を台無しにした。

この条項により内部告発が抑止され、重要な情報へのアクセスが難しくなるものと考えられる。ケニアでは今日まで汚職の摘発にメディアが重要な役割を果たしてきた。1990年代初めのゴールデンバーグ事件、2004年のアングロ・リーシング事件は、メディアへの密告により暴かれた。

こうした事件の報道によって国民の怒りが高まり、公的な捜査が始まった。公に対する説明責任は、新法により弱められ、ケニアの民主主義に破滅的な影響を及ぼす可能性がある。10月にナイロビで開催される汎アフリカ記者フォーラムでの批判も予想される。ケニアの新しいメディア法について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan

関連記事:
報道の自由に光を当てる

最新情報

中央アジア地域会議(カザフスタン)

アジア太平洋女性連盟(FAWA)日本大会

2026年NPT運用検討会議第1回準備委員会 

「G7広島サミットにおける安全保障と持続可能性の推進」国際会議

パートナー

client-image
client-image
IDN Logo
client-image
client-image
client-image
Toda Peace Institute
IPS Logo
Kazinform

書籍紹介

client-image
client-image
seijikanojoken