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|レバノン|寒期を抜け出したシリア

【ベイルートIPS=モナ・アラミ】

シリアの空は長い嵐の後でようやく明るんできた。国際的な政治の舞台から3年も遠ざかっていたバシャール・アサド大統領がフランスに歩み寄ったことで、レバノンにも平和な夜明けがもたらされる可能性が出てきた。

レバノンの運命は常にシリアと結びついている。シリアは地域的および国際的影響力を得るためにレバノンを利用してきた。たとえば80年代末には間接的にレバノンを支配し、2005年にはレバノンのラフィーク・ハリリ元首相暗殺に関与したと非難された。

 現在シリア軍はレバノンに駐留していないが、レバノンの過去3年の混乱はシリアの間接的介入が原因であり、そのために欧米はアサド政府を冷遇してきた。

流れはまた変わりつつある。シリアはレバノンの内戦を終了させてミシェル・スレイマン大統領を選出させたドーハ合意を承認するなど、レバノンに対し態度を和らげている。その結果フランスのサルコジ大統領はアサド大統領をパリで開催された地中海サミットに招待した。
 
 フランスとシリアの和解はニコラ・サルコジ大統領のダマスカス訪問が9月に決定したことによってさらに確実なものとなった。アサド大統領とレバノンの新大統領との会談を主宰したサルコジ大統領は、「両国は相互に大使館を開設して外交関係を樹立させる用意がある」と発表し、「これは歴史的な進展である」と述べた。

レバノンのヒズボラやパレスチナのハマスへの影響という点でシリアの力は見過ごせない。シリアはイスラエルとの和平交渉にも間接的に乗り出している。ベイルート・アメリカン大学のH.カシャン教授によると、「シリアはヒズボラが力をつけすぎてきたと感じ、米国に近づこうとしている」。

シリアとイランの同盟関係は戦術的で、イランの核の野望により距離がでてきた。シリアの思惑を感じてヒズボラが軟化し、レバノンの緊張も減少してきた。だが中東の政治的環境は危うさが残っており、わずかの変化も歴史の流れを変えうる。レバノンが落ち着いているのは今だけかもしれない。シリアの協調的姿勢への変化について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan

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