Multimedia相馬雪香さんとFAWA(アジア太平洋女性連盟)

相馬雪香さんとFAWA(アジア太平洋女性連盟)

【東京IDN=石田尊昭】

アジア太平洋女性連盟(Federation of Asia-Pacific Women’s Associations)―略して「FAWA」と言います。

尾崎行雄の三女・相馬雪香さんは、1950年、スイスで開催された国際会議に出席。そこで、フィリピンの上院議員ペクソン女史と出会います。かつて日本がフィリピンを占領していた頃、まだ若い娘さんだった女史は、日本を憎み、戦後も日本人を大変嫌っていたそうです。しかし、その国際会議で出会った相馬さんの言動に触れ、「日本の女性は変わった! 日本は変わる!」と感動されたそうです。

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そして、1959年、相馬さんと女史が中心となって設立したのが「アジア婦人団体連盟」、現在の「アジア太平洋女性連盟」=FAWAです。アジアの女性の連帯を通じ、アジアひいては世界の平和の実現、女性の福祉向上を目的としています。

設立後は、各国・地域で、FAWA国際会議を2年ごとに持ち回りで開催しています。相馬さんは、韓国、台湾、グアム、インドネシア、シンガポール、フィリピンなどで開催された同会議に団長として出席し、そこでの研究成果を取りまとめるなどしました。

FAWA国際会議は、日本では、1970年(神奈川)、92年(大阪)、2007年(東京)と開催されています。特に2007年(相馬さんが亡くなる前年)、東京で開催された会議では、アジアにとどまらず世界73カ国の代表と、広く一般市民も参加しました。相馬さんは、そこで大変力強いスピーチを行ない、参加者に大きな感動を与えました。

この時、会議に全面協力し、成功に導いたのが「NPO法人一冊の会」(大槻明子会長)です。相馬さんは当時、同団体の最高顧問を務めていました。以後、台湾(2010年)、グアム(2012年)、韓国(2014年)で開催された会議では、相馬さんの遺志を継ぎ、「一冊の会」が日本代表団を務めました。そして、今年9月末から10月にかけてシンガポールで開催されるFAWA国際会議にも、「一冊の会」が日本代表として参加します。

「憲政の父」と呼ばれた政治家・尾崎行雄。その精神を継ぎ、平和のために行動した相馬雪香。さらにその精神を継いだ様々な団体―「NPO法人咢堂香風」、「尾崎財団・咢堂塾」、「尾崎を全国に発信する会」、「NPO法人難民を助ける会」、「国際IC日本協会」等々が、それぞれの形で平和に貢献しています。

「平和、平和って言うけど、誰でも、最初から大きなことはできないの。できないことをウダウダ言ったってしょうがない。とにかく、できることから始める。自分から動く。そう、だから……身近なことでいいんですよ。少しずつでいいんです。あなたにできる平和から始めなさい!」(『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』より)

相馬さんの遺志を継いだ多くの仲間たちが、相馬さんの言葉を胸に、「できることから始めています。」(原文へ

Yukika Sohma/ Ozaki Yukio Memorial Foundation
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