地域アジア・太平洋|ネパール|国連は和平プロセス実現の救世主となるか

|ネパール|国連は和平プロセス実現の救世主となるか

【カトマンズIPS=スーマン・プラダン】
 
ネパール政府は先週、国連に対して「マオイスト(毛派)との和平交渉を援助すること」を求める書簡を正式に送ったと伝えられている。そして多くのネパール市民も和平プロセスの実現に関して、国連の対応に大きな期待を寄せている。

しかし(まもなく暫定政府への参加も実現する)毛派は、国連への書簡が自分たちとの相談無しに行われたことで政府への怒りをあらわにした。毛派スポークスマンで対話団長のクリシュナ・バハドゥル・マハラ氏は「我々は書簡の内容も知らされていないし、合意もしていない」とIPSの取材に応じて語った。

 毛派の動きに詳しい情報筋の話では、毛派は暫定政府への参加前に武器管理を国連に委ねることについて慎重な構えを見せている。さらに毛派は、政府が暫定政府の確立に向けた努力ではなく、権力基盤を固めていると非難している。

一方、ネパール政府は毛派が11年におよぶ武装闘争を完全終結させてから中央政府へ参加するべきという強い意思のもと、政府軍と毛派双方の武器管理を国連に求めている。

7月の政府と毛派との間で合意された注目すべき条項には、国会と毛派支配地域の人民政府の解散、暫定憲法の作成と毛派を含む暫定政府の確立がある。ある政府関係者は「政府は7月の歴史的な合意で自ら窮地に追い込まれた。今回の国連への書簡は政府による毛派への『先制攻撃』である。国連が介入すれば、非民主的な支配を阻止する枠組が構築されるはずである」と述べた。

和平プロセスの進展を求めるネパール市民の期待をよそに、国連の関与をめぐる政府側と毛派との意見の相違について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー:IPS Japan

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