【ペシャワールIPS=アシュファク・ユスフザイ】
パキスタンの学校教師ジャミルア・レーマンは、娘を危うく自爆テロリストにされるところであった。13歳の娘サミーナはタリバンに連れ去られ、北西国境地帯の宗教学校(マドラサ)で自爆テロのビデオを見せられていたと彼は言う。
サミーナによれば、宗教学校の教師により友人のムシュタリ・ベガム(15)と共に2人の男に引き渡されたが、北部ワジリスタンのミル・アリで当局に逮捕されタンクの警察に保護されたという。
タンクの警察官アーマド・ジャマルは「状況は極めて深刻だ。2人の女の子は救出されたが、女性を対象とした自爆テロ訓練は増えている」と語る。情報局によれば、連邦直轄部族地域(FATA)は自爆テロリストの訓練基地になっており、これらの指揮官としてハジ・フセイン・アーメドが特定されているという。
サミーナはIPSの質問に応え、「イラク、アフガニスタン、グアンタナモのイスラム教徒に米軍がくわえた残虐行為が映った数千のビデオを見せられた。生徒は皆、米国寄りの勢力を殺すための準備ができていた」と語った。
ペシャワール大学のタリバン研究者アシュラフ・アリも「イラクの女性テロリストが米軍を脅かす存在になっていることに関心を抱き、パキスタンの米国寄り勢力により壊滅的な被害を与えるため多くの女性自爆テロリストを養成している」と語っている。
パキスタンでは今年に入り41件の自爆テロが起こっているが、犯人は皆男性だった。しかし、タンクを含むスワット地方の学校から7月だけで25人の女学生が消えている。
昨年7月3日の「赤のモスク」襲撃では、宗教的指導者マウラナ・アブドゥル・カイイムがメディアに対し、あらゆる標的を目指し自爆テロを行うよう指示したと宣言している。タンクにあるガヴァメント大学の政治学教師ジャミルディンは「パキスタンのテロリストが自爆テロに女性を使う可能性は否定できない」と語っている。
パキスタン国境地帯における女生徒誘拐と自爆テロ訓練について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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