【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】
アフリカがロシア外交の優先地域として存在感を高める一方で、チャドや中央アフリカ共和国などにおけるロシア人傭兵による人権侵害疑惑があらためて国際的な注目を集めている。国連調査官は、ニューヨーク・タイムズ紙が入手した国連安全保障理事会向け報告書に記された残虐行為の疑惑について調査を進めている。
問題の報告書は、鉱物資源に恵まれる一方、ほぼ10年にわたり内戦が続く中央アフリカ共和国で、ロシア人傭兵によって行われたとされる虐待行為の詳細を記している。
調査官によれば、ロシア人傭兵とそれに同調する政府軍による行為には、「過剰な武力行使、無差別殺害、学校の占拠、人道支援機関に対するものを含む大規模な略奪」が含まれていた。これらの認定は、写真資料や証人、地元当局者による秘密証言に基づいているという。
2017年、ロシア政府は現地軍の訓練支援を目的として、非武装の軍事教官を派遣することを提案した。この任務は国連の承認を受けたものであり、2013年以来中央アフリカ共和国に課されていた武器禁輸措置の例外として認められた。
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、ロシアは中央アフリカ共和国の政治と安全保障において、年々その影響力を強めている。ロシア人ボディーガードがフォスタン=アルシャンジュ・トゥアデラ大統領の警護に当たり、元ロシア情報要員が同大統領の安全保障顧問を務めてきたとされる。
国連報告書は今週公表される予定であり、新たに形成された反政府勢力連合が選挙を妨害し、その後、首都バンギに対する軍事攻勢をかけた混乱期に発生した人権侵害を扱っている。
一方で報告書は、反政府勢力連合の構成員についても、子ども兵士の強制徴募、援助団体の略奪、女性に対する性的暴行を行ったと指摘している。
昨年には、数百人規模のロシア人傭兵の存在が、国連の報告書草案によってすでに記録されていた。
ロシアの民間軍事会社ワグネルは、アフリカ大陸各地で活動しているとされ、モスクワの高官らと強い結びつきを有しているとみられている。
また、2017年から2018年にかけて、ロシアはアンゴラ、ナイジェリア、スーダン、マリ、ブルキナファソ、赤道ギニアとの間で武器取引を進めた。対象には、戦闘機、戦闘・輸送ヘリコプター、対戦車ミサイル、戦闘機用エンジンなどが含まれていた。
もっとも、BBCによれば、米国は引き続き世界最大の武器輸出国であり、過去5年間で世界の武器輸出に占めるシェアを37%まで拡大している。一方、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の研究者によれば、ロシアは武器市場でのシェアを22%失い、ほぼすべての地域で米国との厳しい競争に直面しているという。[IDN-InDepthNews=2021年6月30日](原文へ)
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