【ニューヨークATN=アハメド・ファティ】
ドナルド・トランプ大統領が二期目の政権を開始するにあたり、彼の政権はアメリカン・エクセプショナリズム(アメリカ例外主義)を再定義し、米国と国連の関係を変える可能性が高い。国家主権の強調と多国間機関の徹底的な見直しは、この政策の基本となる。
第一に、アメリカン・エクセプショナリズム:主権優先のアプローチ
アメリカン・エクセプショナリズムは歴史的に、米国が国際機関を主導し、世界の安定と民主主義を推進することと結びついてきた。しかし、トランプ大統領のビジョンは主権を最優先する戦略であり、多国間協力よりも一方的な行動を重視する。この視点は、米国の従来の国際的リーダーシップの考え方や、国連のような国際機関の有効性を疑問視するものである。
トランプ大統領は就任演説で「我々は、もはやこの国や国民をグローバリズムという幻想の歌に明け渡すことはない」と宣言し、この方針の転換を強調した。このような発言は、過去の政権が誓った国際協力への姿勢とは一線を画している。
国連の再評価
トランプ政権の国連に対する姿勢は、一般的な多国間機関への不信感と一致している。トランプ大統領は第一期政権時から、米国に過度の財政的負担を強いることや、官僚機構の非効率性を理由に国連を批判してきた。二期目の政権では、こうした批判がさらに強まっている。
資金削減と財政負担
米国が国連に支払う財政的貢献は、トランプ政権にとって主要な懸念事項の一つである。米国は国連の最大の資金提供国であり、さまざまなプログラムや平和維持活動を支えている。しかし、トランプ大統領は、この支援の水準が不公平で持続不可能であると主張している。
2025年1月に発令された90日間の対外援助停止に関する大統領令により、国連機関は世界的な支援活動を縮小せざるを得なくなった。この措置は、米国の国益に合致しないとされる国連関連のプロジェクトの資金を見直し、場合によっては削減するという、より広範な方針の一環である。
改革要求
トランプ政権は、財政面にとどまらず、国連の大規模な改革を要求している。提案されている改革の目的は、透明性の向上、官僚機構の削減、そして国連の活動をより米国の外交政策目標に沿ったものにすることである。
政府高官の一人は次のように述べている。「国連は説明責任を果たすべきだ。我々は、国連が加盟国の価値観や利益に沿った形で運営され、米国の納税者の資金が適切に使われることを確実にすることに尽力している。」
グローバル・ガバナンスへの影響
米国政府のこのような姿勢は、世界のガバナンスのあり方や、多国間主義の行方に大きな影響を及ぼす可能性がある。国家主権を優先し、国際機関に対して懐疑的な立場を取ることで、米国は伝統的な同盟国から孤立するリスクを抱えつつ、国際的な枠組みに積極的に関与しようとする他の大国に影響力を譲る可能性がある。
批評家たちは、このアプローチが安全保障問題、パンデミック、気候変動といった世界的な課題への国際的な取り組みを弱体化させると主張している。多国間主義からの撤退は、より分裂した、不安定な世界秩序を生み出しかねないと懸念されている。
今後の展望
トランプ大統領がアメリカン・エクセプショナリズムの新たなビジョンを推し進める中で、米国と国連の関係は不透明なままである。政権は国連における役割を再定義し、国家の利益を強く主張する一方で、この戦略が長期的にどのような影響を及ぼすのかは未だ明確ではない。
世界は今、これが一時的な政策の転換なのか、それとも米国の国際関与のあり方が根本的に変わる転機なのかを注視している。その答え次第で、国際機関の有効性や今後の国際関係の方向性が決まることになるだろう。(原文へ)
INPS Japan/ATN
Original Link: https://www.amerinews.tv/posts/trump-s-second-term-redefining-american-exceptionalism-and-challenging-the-united-nations
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