ニュースホワイトハウス首脳会談:欧州は団結、ウクライナは屈服を拒否

ホワイトハウス首脳会談:欧州は団結、ウクライナは屈服を拒否

【ニューヨークATN=アハメド・ファティ】

ホワイトハウスは数々の緊張した外交の舞台となってきたが、月曜の会談は大陸全体の不安と一国の存亡を背負う重みを持っていた。ドナルド・トランプ大統領は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を迎え、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、英国のキア・スターマー首相、イタリアのジョルジャ・メローニ首相、フィンランドのアレクサンデル・ストゥッブ大統領に加え、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長らが出席した。

Ahmed Fathi, ATN
Ahmed Fathi, ATN
欧州の断固たる団結

欧州諸国は連帯を示す決意で臨んだ。スターマー首相は会談を「有意義で建設的」と表現し、マクロン大統領は「安全保障の保証は欧州大陸全体の安全に関わる」と強調した。さらにメルツ首相は、ロシアの領土要求を米国がフロリダを譲渡するのに等しいと例え、その不当さを浮き彫りにした。メッセージは明白だった──ウクライナは孤立していない、そしてモスクワの条件は和平の基礎にはなり得ない。

プーチンの要求:和平か、それとも降伏か

共同声明の背後には、クレムリンの姿勢が重くのしかかっていた。報じられた提案には、クリミアのロシア領としての承認やドネツク、ルハンスクの割譲が含まれる。これは真の和平提案ではなく、最後通牒である。筆者の見解では、外交に見せかけた降伏条件にほかならない。

ゼレンスキー大統領自身も断固として譲らなかった。「領土の問題は私とプーチンの間のことだ」と語った。これは虚勢ではなく、生存のための決意である。譲歩すれば戦争は終わらず、ウクライナの主権そのものが消え去るからだ。

可能性と危険の狭間で

今回の会談では停戦も突破口となる合意も生まれなかった。しかし今後の進路が示された。

  • 一つは、ウクライナが領土を譲らずに、欧州資金で支えられる約900億ドル規模の米国製兵器パッケージに基づくNATO型の安全保障保証を確保する可能性。これは危ういながらも名誉ある勝利だ。
  • もう一つは、ゼレンスキー大統領が妥協を拒み、欧州が断固とした姿勢を崩さず、戦争が長期化し民間人の苦難が続くシナリオ。
  • 第三の道は、まず停戦で信頼を築くというものだが、ロシアが依然としてウクライナ都市を攻撃している状況では、その信頼性は疑わしい。
  • そして常に背景にあるのが、米国の方針転換リスクだ。もしワシントンが支援を縮小すれば、欧州は長年避けてきた規模で負担を単独で担わざるを得なくなるかもしれない。
問題の核心

今回の首脳会談は、勝利や条約の場ではなく、決意を示す場だった。欧州はウクライナと肩を並べ、ワシントンは選択肢を残し、キーウは妥協に見せかけた屈辱を拒絶した。

空襲警報で目覚める日々を送る一般のウクライナ市民にとって重要なのは、それが恥辱なき安全をもたらすかどうかである。彼らは都市を約束と引き換えに差し出すために戦っているのではない。自らの土地で尊厳を持って生きるために戦っているのだ。

ホワイトハウスでの会談は一つのことを明らかにした──平和は可能である。しかしそれは降伏ではなく、正義の上に築かれたものでなければならない。(原文へ

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Original URL: https://www.amerinews.tv/posts/white-house-summit-europe-unites-ukraine-rejects-capitulation

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