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ニュース世界の軍事費、初めて2兆1000億ドル超で過去最高を更新

世界の軍事費、初めて2兆1000億ドル超で過去最高を更新

【ニューヨークIDN=タリフ・ディーン】

世界の軍事費は昨年、過去最高を更新し、2兆1000億ドルという驚異的な金額に達した。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が25日に発表した最新の数値によると、2021年の5大支出国は米国、中国、インド、英国、ロシアで、合計で支出の62%を占めている。

2020年3月に始まった事実上の世界的なパンデミック封鎖にもかかわらず、軍事費の増加は衰えることなく続いている。

Image credit: Royal United Services Institute (RUSI)
Image credit: Royal United Services Institute (RUSI)

SIPRIの軍事費と武器生産プログラムの上級研究員であるディエゴ・ロペス・ダ・シルバ博士は、「新型コロナのパンデミックによる経済的打撃の中でも、世界の軍事費は過去最高水準に達した。」と述べている。「インフレのため、実質的な伸び率は鈍化した。しかし、名目値では、軍事費は6.1%伸びた」という。

ロシアのウクライナ侵攻と現在進行中の残虐な戦争が24日に3カ月目に入ったが、ロシアは2021年に国防費を2.9%増の659億ドルにして以来、ウクライナとの軍事対決を前に十分な装備を整えていた。この増加は、ロシアがウクライナ国境沿いの軍事力を強化する中で行われた。

これは3年連続の増加で、ロシアの軍事費は2021年にGDPの4.1%に達していた。

Photo: Russian-made Su-30K fighter jets sold to Ethiopia. Source: Horn Affairs
Photo: Russian-made Su-30K fighter jets sold to Ethiopia. Source: Horn Affairs

SIPRIで兵器と軍事支出を専門とするルーシー・ベローシュドロー氏は、「高い石油・ガス収入」が2021年のロシアの軍事費増強に役立ったと述べている。

ロシアの軍事費は、エネルギー価格の低下と2014年のロシアのクリミア併合に伴う制裁が重なった結果、2016年から19年にかけて減少していた。ロシアの軍事費全体の約4分の3を占め、武器調達だけでなく運用コストの資金も含まれる「国防」予算枠は、1年の間に上方修正された。SIPRIによると、最終的には484億ドルで、2020年末の予算より14%増加した。

ウクライナの軍事費は、2014年のクリミア併合以来、72%上昇している。2021年の支出は59億ドルに減少したが、それでも同国のGDPの3.2%を占めている。

ウクライナに40億ドル近い兵器や軍事支援を提供してきた米国は、2021年に8010億ドル以上を支出し、20年から1.4%減少した。米国の軍事負担は、20年のGDP比3.7%から21年には3.5%へとわずかに減少した。

Photo: Laser Weapon System (LaWS) on USS Ponce. Credit: US Navy
Photo: Laser Weapon System (LaWS) on USS Ponce. Credit: US Navy

米国の軍事研究開発(R&D)資金は2012年から21年の間に24%増加したが、武器調達資金は同期間に6.4%減少した。21年には双方に関する支出が減少した。

しかし、SIPRIによれば、研究開発費の減少(1.2%減)は、武器調達費の減少(5.4%減)より小さいという。

SIPRIの軍事費と武器生産プログラムのアレクサンドラ・マークシュタイナー研究員は、「2012年から21年の10年間に研究開発費が増加したことは、米国が次世代技術により注力していることを示唆している」と述べた。「米国政府は、戦略的競合相手に対する米軍の技術的優位性を維持する必要性を繰り返し強調している」と述べている。

世界第2位の支出国である中国は、2021年に推定2930億ドルを軍事費に割り当て、20年と比較して4.7%増加した。

中国の軍事費は27年連続で増加している。2021年の中国予算は、25年まで続く第14次5カ年計画の下での最初のものであった。

日本政府は2021年予算の初承認後、軍事費に70億ドルを追加した。その結果、21年の歳出は7.3%増の541億ドルとなり、1972年以降で最も高い年間増加率となった。

オーストラリアの軍事費も2021年に4.0%増加し、318億ドルに達しました。

「南シナ海と東シナ海周辺における中国の自己主張の高まりは、オーストラリアや日本などの国々における軍事費の主要な原動力となっている。その一例が、豪州、英国、米国の三国間安全保障協定AUKUSであり、最大1280億ドルのコストをかけて原子力潜水艦8隻を豪州に供給することを計画している。」と、SIPRIのナン・ティアン上級研究員は語った。

SIPRIは、世界の軍事費に関するその他の注目すべき動きも取り上げている。

2021年、イランの軍事予算は4年ぶりに増加し、246億ドルとなった。イスラム革命防衛隊への資金は、21年も20年に比べて14%増加し、イランの軍事費全体の43%を占めた。

ナイジェリアは、2021年の軍事費を56%引き上げ、45億ドルに達した。この増加は、暴力的な過激派や分離主義者の反乱など、多くの安全保障上の課題に対応するためである。

2021年、イランの軍事予算は4年ぶりに増加し、246億ドルとなった。イスラム革命防衛隊への資金は、21年も20年に比べて14%増加し、イランの軍事費全体の34%を占めた。

The flag of the North Atlantic Treaty Organization (NATO).
The flag of the North Atlantic Treaty Organization (NATO).

欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国8カ国は、2021年にGDPの2%以上を軍に支出するという同盟の目標に到達した。これは20年の実績よりも1カ国少ないが、14年の2カ国から増加している。

中・西ヨーロッパで第3位の支出国であるドイツは、2021年に560億ドルを軍事費に費やし、これはGDPの1.3%に相当する。インフレの影響で軍事費は20年に比べて1.4%減少した。

2021年のカタールの軍事費は116億ドルで、中東で5番目に大きな支出国となっている。カタールの21年の軍事費は、同国が21年以前に支出データを最後に公表した10年と比較して434%増となった。

インドの軍事費は766億ドルで、世界第3位となった。これは、2020年から0.9%、12年から33%増加した。国産兵器産業の強化を図るため、21年の軍事予算では資本支出の64%が国産兵器の取得に充てられた。(原文へ

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