【ドバイWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)のアラビア語日刊紙は6月3日、「連日爆弾テロで多くの無辜の市民が犠牲になっており、状況は悪化の一途を辿っている。」と報じた。
「混迷の度合いを深めているのは国内治安状況のみならず、政治状況も同じである。政治的緊張関係を和らげ、国内治安状況を立て直すのがイラクの政治指導者らがまず取り組むべき責任である。彼らは、各々の個人や派閥の狭量な利益の前にイラクの国益を最優先に行動すべきときに来ている。」とアル・バヤン紙は6月3日付けの論説の中で報じた。
また同紙は、5月中に派閥争いに巻き込まれて犠牲になったイラク国民は死者1000人以上、重軽傷者3000人近くにのぼり、過去5年間で最悪の月となった、と報じた。
ドバイに本拠を置く同紙は「悲惨な状況にあるイラク」と題した論説の中で、「イラク政府は今や国家統一の最大の脅威となっている国内各地のテロ活動に対して万全の体制で断固とした措置をとるべきである。」と指摘した上で、「そのためには派閥闘争に明け暮れてきた全ての政治指導者が交渉のテーブルにつき、イラク国家と国民というより高次元の利益のために、互いの対立点を協議し合い、妥協点を見出さなくてはならない。」「度重なる戦災に今なお苦しんでいるイラク国民にとって、そろそろ安定した統一政府の下で治安が確保され、まともな生活が送れる時代が到来してしかるべきである。」と同紙は報じた。
また同紙は、国連安保理や国際諸機関を含む国際社会に対して、イラク政府がこの重要な時期に、危機を乗り越え、国内の治安回復と政治的安定を達成できるよう、積極的に協力するよう呼びかけた。
同様に、アラブ連盟に対しても、イラク政府が頻発する暴力・テロ問題を解決し、国内の治安と安定を回復できるよう、支援を呼びかけた。(原文へ)
翻訳=IPS Japan