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|中東|イスラエルのシリア空爆が残した問題

【ワシントンIPS=コーディ・アカービ】

イスラエル軍によるシリア空爆から2ヶ月以上が過ぎ、米国政府当局やアナリストの間では、空爆の対象が建設途中の核施設であったとの見方が広まっている。シリアの原子炉は、今年撮影された衛生写真により北朝鮮で稼動しているものと同型であることが確認された。

シリア空爆の標的が『原子炉』であったかどうかという問題はさておき、今回の出来事はイスラエル・シリア・米国の3カ国が沈黙を守る中、様々な疑問が浮上している。シリアの原子炉は実際の脅威となるのか。なぜこのタイミングに空爆を行ったのか。イスラエルの一方的な行動は核開発を進めたいアラブ諸国にどのような影響を及ぼすのか。

 IAEA(International Atomic Energy Agency: 国際原子力機関)のモハメド・エルバラダイ事務局長はイスラエルによるシリア領内の軍事施設への空爆を非難したうえで、「IAEAは今回の空爆に関する情報を何も得ていない。他国が核関連計画を進めているという情報をつかんだ国は、まずIAEAに報告しなければならないはずだ」と述べた。

多くのアナリストは、空爆は明らかに米国・イスラエルが国連による査察を回避したいという意図の現われであると見ているようだ。元CIAのRay Close氏はIPSとの取材の中で「ブッシュ政権は、シリアの核開発に関する機密情報をIAEAに流すつもりはない。米国は国際社会の動きから外れた形で、独自に核拡散問題に対処しようとしている」と語った。
 
 核開発を巡る北朝鮮とシリアとの『コネクション』疑惑が問題化しているが、米政府内では対北朝鮮強硬派のジョン・ボルトン前国連大使と、保守派のコンドリーザ・ライス国防長官との対立が益々深まっている。一部の諜報機関の中には、(シンクタンク『アメリカ公共政策研究所(American Enterprise Institute)』のメンバーで)ネオコンのボルトン氏がシリアの核問題を誇張しすぎていると批判する声もある。イスラエルによるシリア軍事施設への空爆が残した問題について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan

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