【国連IPS=タリフ・ディーン】
「発展途上国の新聞には我々が本当に伝えていくべき内容の記事が全く載っていない。(世界の主要メディアが取り上げようとしない)開発、貧困、飢餓、人口、医療、教育、ジェンダー問題などは依然として置き去りにされたままだ」。
スリランカの元駐米大使で外交問題に詳しくコラムニストや編集者としての豊富な経験を持つアーネスト・コリア(Ernest Corea)氏は、途上国の新聞が取り上げる内容は誤解されたものが多いと嘆く。
それでも、これまでアフリカ・アジア・南米では多くの地元通信社(DEPTHNEWS、Gemini News Service、Non-Aligned News Agency Poolなど)が途上国の視点に立ったニュース配信をするため、それなりの努力をしてきた。しかし、コリア氏によるとその努力は実を結んでいないという。
コリア氏は、途上国における国際的な報道機関のあり方と、その設立の可能性についてIPSとの取材に応じた。
IPS:インターネットやウェブなど情報技術は通信社の設立に貢献すると思いますか。
EC:理論的にはそうだと思います。しかし、開発途上国でのインターネットをはじめとする先進技術の普及はまだまだ遅れているのが現状です。
IPS:途上国に焦点を当てた通信社の設立は本当に可能だと思いますか。まず、途上国の通信社や新聞社との間で『南南協力』を推進することが必要ではないですか。
EC:必要とされる能力・訓練の向上や資金力の確保と、通信社設立の実現は両方とも重要であると思います。実現のための条件はたくさんあります。全ての部署に専門スタッフを配属するため充分な資金を投じること、特定の政党や政府による干渉を受けないようにすること、途上国にとって報道価値のある内容を必ず扱うこと、などです。
途上国に関する報道の中で開発関連問題の重要性を指摘するアーネスト・コリア氏へのインタビューを伝える。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩
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