【アブダビWAM】
湾岸協力会議(GCC)のアブドゥル・ラフマン・ビン・ハマド・アル・アッティヤ事務局長はリビアで進行している市民の殺害について、「人道に対する犯罪であり、深刻な人権及び国際法違反である」と激しく非難した。
アッティヤ事務局長は、3月7日にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開会した118回GCC閣僚評議会における演説の中で、「カダフィ政権が自国民に対して行っている虐殺行為、とりわけ傭兵と重火器を使って殺戮を繰り返しているありさまは人道に対する犯罪であり強く糾弾されてしかるべきだ。」と語った。
またアッティヤ事務局長は、「この極めて重要な局面において、リビア市民の安全確保が最優先されるべき」との見解を示す一方、「リビアの主権、領土、国民の統合は断じて守られるべきであり、GCCは、諸外国によるリビアへのいかなる干渉も拒否する」と語った。
またアッティヤ事務局長は、GCC地域が直面している最大の問題は依然として安全保障の問題であると指摘した上で、「様々な分野において、加盟国間で相互協力の絆を深めていくことがGCCの目指す重要な目標です。GCC加盟国は、域内の関係強化と共通の利益を促進するために、今こそ団結して協力関係を深めていくべきです。」と語った。
アッティヤ事務局長は、「最近のエジプト、チュニジア、リビア情勢は、アラブ政界を大きく転換させる出来事であった。」と指摘した上で、「アラブ諸国に再び安定と静寂を取り戻すには、(各国政府が)国民に開かれた真剣な対話を実践し、若者の懸念と要望を認め、それらに対する効率的な解決策を見出していかなければならない。」と語った。(原文へ)
翻訳=IPS Japan戸田千鶴