【アブダビWAM】
UAE環境水資源省海洋研究センター(MRC)の専門家・調査員チームが、オマーン・パキスタンに行く前にアブダビに寄港中のフランスの海洋観測船「タラ号」を訪問した。同観測船は、ドバイ寄港前には、欧州・中東・北アフリカの20港を訪問している。
これは、「タラ号海洋プロジェクト」が、国連環境計画(UNEP)をはじめ、多くの国々の研究所や専門家の協力を得て組織した「 Tara Oceans 」と呼ばれる海洋調査プロジェクトである。タラ号は、3年間に亘る大航海を通じて50カ国以上を訪問する予定である。
この事業には、航海中、環境・科学関連の諸課題について情報及び教育学的な観点から分析調査するミッションが含まれており、UAEにおいても同国の海洋科学調査の枠組みに則って海洋生物のサンプルが収集される予定である。
環境水資源省のアーメド・アル・ジェナヒ上級研究員は、訪問団はタラ号関係者から、船上の研究施設について説明を受けたと語った。タラ号はアブダビ港に寄港中に同研究施設で海洋サンプルの分析調査を行うこととなっている。
訪問団の目的は、船上研究施設でタラ号に乗船している科学者や研究員と専門分野についての知識の共有を行うことである。
タラ号は3年間にわたって世界中を航海し、気候変動が海洋にもたらしたインパクトについて調査する予定である。特に本事業は、史上初めて、地上全ての生命体の起源であるプランクトン等の海洋微生物に及ぼす気候変動のインパクトを地球規模で調査する試みである。海洋微生物は全ての海洋有機物のおよそ90%を占めており、大気中の二酸化炭素の大半を吸収し、地球上の酸素の約半分を生成している。(原文へ)
翻訳=IPS Japan戸田千鶴
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