【モスクワIPS=ケスター・ケン・クロメガー】
ロシアのガスプロム社とウクライナとの間でガスの価格をめぐる交渉が不調に終わり、1月1日、ロシアのプーチン首相は、ガスプロムに対してウクライナへのガス供給量を減らすよう命じた。
ロシアは、本来であればウクライナを経由して欧州連合(EU)各国に向かうはずのガスをウクライナが途中で抜き取っているとの疑いをかけている。ウクライナはこれを否定している。
またロシアは、ウクライナに供給したガスの代金が不払いであると主張し、同時に、今年については適正な価格を求めていくとしている。EU各国は現在1000立方メートルあたり500ドルを支払っているが、ウクライナには450ドルを要求している。
EUはガス供給の4分の1をロシアに依存しており、そのうち80%がウクライナ経由だ。ウクライナへの供給量低下は、さっそくEU各国にも影響を及ぼしている。
たとえば、ルーマニアでは33.8%、トルコでは22%、ギリシャでは15.9%、それぞれガスの供給量が減った。東欧では平均して24.7%の減少である。
欧州各国はロシア以外のエネルギー源を模索し始めている。エストニアのウルマス・パエト外相は、EUはガスプロムへの依存を低め、共通のエネルギー政策を持たねばならない、とテレビで語った。と同時に、現在のEU議長国であるチェコがこの問題に関与しない方針を採ったことに驚きを示した。
ロシアによるウクライナへのガス供給停止問題を取り上げる。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan