【ドバイWAM】
6月27日、28日両日にドバイで開催予定の第2回海賊対策国際会議(アラブ首長国連邦主催)には世界各地から政府高官、安全対策専門家、国連、国際海事機関、その他の関連諸機関の代表が参加する予定である。
今回の会議では、「海賊行為に対する地域の対応:官民連携と国際的な取り組みを強化する」というテーマの下、海賊による船舶襲撃の被害(船員の人質問題を含む)に対するこれまでのグローバルな取り組みをいかに発展させるか、また、ソマリア沖などで海賊行為が発生する根本原因に対する緩和策をいかに強化するか等が協議される予定だ。
UAE外務省とドバイ・ポーツ・ワールド共催によるこの会議は、海賊行為が地域の平和、安全、繁栄に及ぼしている脅威により良く対処していくために、官民連携のあり方を強化していくことを企図している。
会議の公式ウェブサイト(www.counterpiracy.ae)がアップデートされたので、招待客及び参加者はここでオンライン登録ができる他、全ての関連情報を入手することができる。
またこのサイトには、講演予定者をはじめ、海賊行為対策分野の学識経験者や専門家がこの会議のために作成した研究報告書や論文が掲載されるので、参加者は事前に会議当日の議論に備えることができる。
今回の会議は昨年UAEのイニシャチブで開催された第1回海賊対策国際会議の成果を踏まえたものである。第1回会議では、世界各国の政府及び産業界双方から、海上・陸上において、海賊対策に具体的に取り組んでいくという前例のないコミットメントを引き出すことに成功した。
国際海事局(IMB)によると、2012年の第1四半期における海賊被害は、ソマリア人海賊によるものだけでも43件にもぼっており、140人を超える船員が(その多くが過酷な環境の下で)引き続き海賊によって捕らわれた状態にある。また、IMBの試算では、海賊行為が国際貿易にもたらしている被害は、年間120億ドルにのぼると見られている。(原文へ)
翻訳=IPS Japan戸田千鶴