【ベオグラードIPS=ヴェスナ・ペリッチ・ジモニッチ】
先週、セルビア中で「美術館の夜」と題するイベントが開かれた。わずか250ディナール(5ドル以下)を出せば、全土で63の美術館や博物館を見学することができる。ベオグラードで30万人、その他の23都市で15万人、計45万人を動員した。
5年前に始まったときの参加者はわずか2万人だったが、昨年には20万人、そして今年は45万人と順調に観客動員を増やしてきた。もともとこのイベントは、美術史の専門家であるムラダン・ペトロビッチとアナ・ジョヴァノビッチの2人が、パリやアムステルダムで行われている同種のイベント真似て始められたものだ。
内戦と経済制裁で特徴づけられる1990年代、ベオグラードのほとんどの美術館は運営ができない状態になっていた。しかし、この数年で状態が改善し、多くの美術館が再興を目指している。「美術館の夜」もこうした美術の再興を願って始められたものだ。
観客たちは、古代から中世、近代に到る時代のさまざまな美術や、技術の歴史に関する展覧を楽しんだ。
市民を美術の世界へといざなう大規模なイベントについてベオグラードから伝える。(原文へ)
翻訳=IPS Japan