地域アジア・太平洋圧制的な豪州から南太平洋諸国を救う中国

圧制的な豪州から南太平洋諸国を救う中国

【シドニーIPS=カリンガ・セレヴィラトネ】

太平洋島嶼国(PIC – フィジー、パプアニューギニア(PNG)、クック諸島、ミクロネシア連邦、ニウエ、サモア、バヌアツ)と中国の首脳会議が4月5日から2日間フィジーで開かれ、温家宝首相が中国首相として初めて南太平洋を訪れた。

フィジーでは、中国企業の対南太平洋投資を支援するための特別基金を含む30億元(3億7,400万米ドル)の包括的開発援助が締結された。

とりわけPNG、フィジー、バヌアツをはじめPICにとって、中国への関心は、新植民地的姿勢を強めているオーストラリアへの依存から脱却する手立てとなるものである。最大の援助国であるオーストラリアは近年ODAの大部分を「ガバナンスの強化と腐敗削減」に特定し、戦略的省庁や法執行機関への官僚・警官・財務顧問の派遣を進めており、こうした圧制的な戦術にPICの間からは、主権を損なおうとするものとし、批判が高まっている。

開会式で挨拶に立った温家宝首相は、中国の太平洋地域への関与は「外交的な便宜主義」ではなく、「戦略的決定」であると述べた。フィジーのライセニア・ガラセ首相は、首脳会議は太平洋地域における外交と政治的連携の形態の移行を反映したものであり、援助への依存を改め、自助努力のもと自立を目指したいとの意向を表明した。会議後の記者会見で首相は、「島嶼小国にとって柔軟な参入が可能であり、輸出ニーズが満たされうる新規市場を見出す道を開くもの」と今回の会議を評価した。

中国とPICの貿易関係の促進を目指す「経済協力・開発基本枠組(Economic Cooperation and Development Guiding Framework)」の策定を提案する合意がなされた。この5年間に中国とPIC間の貿易は3倍に増大した。昨年最初の8カ月の中国の対PIC輸出は3億5,700万ドル、輸入は3億1,100万ドルにのぼっている。
「規模ははるかに大きいものの同様の開発課題を抱える途上国である中国とお互いに学ぶことは大きい」とPNGのマイケル・ソマレ首相が語る中国とPICのサミットについて報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan

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