SDGsGoal6(安全な水とトイレを世界中に)|スワジランド|水危機―「単なる水供給システムの問題」か

|スワジランド|水危機―「単なる水供給システムの問題」か

【ムババーネIPS=ジェームズ・ホール】

スワジランドは、過去最悪と言われる旱魃に見舞われている。しおれたメイズ(トウモロコシ)、飲料水の確保に今まで以上に時間を要している農村地域の女性たち、汚染された川の水を利用せざるを得ないスラム街の住民たち、下がる一方の河川の水位。すべて水危機を示唆する証拠だ。

スワジランドの水当局は長年にわたり、水供給源から水不足の地域に給水する単なるシステムの問題であるとして、人口100万余のこの小国の根本的な水不足を否定してきた。

スワジランド水道公社の広報官で、政府の水危機委員会の副委員長を務めるジャメソン・ムクホンタ氏は、IPSの取材に対し「スワジランドは河川が豊富だ。これらの河川を連結する資金があれば、夏季も水を自給自足できる。雨季に雨水を集水する手段さえあれば、1年中自給自足が可能となる」と答えた。

しかし旱魃がこうも度重なると、そうした主張にも疑問が生じる。

1968年の独立当時に比べ人口は3倍に増大し、増加した家畜が草木を食べ尽くして土壌の浸食が進んだ。砂漠化により水供給源は危険にさらされている。

国家緊急対応委員会のベン・ヌシバンゼ委員長は、旱魃の頻度が高くなっているのは地球温暖化が原因と指摘する。9月からの雨季が11月、12月にずれ込んでいる。

水危機委員会による水の自給自足計画は、水供給源から水不足地域への送水と試錐孔掘削による地下水利用が基盤となっているが、既存の貯水池ですら降雨不足にある現状を考えると、計画の不備が明白になるばかりである。

首都ムババーネでは給水制限が実施されており、自作農民は市場向け野菜作物の生産や輸出用サトウキビの生産協同組合の創設に向けて導入した灌漑システムを断念している。

天然資源省の水資源管理を専門とするエコノミストのクリストファー・ファクゼ氏は「給水システムを整備しても問題の解決にはならない。なぜなら水資源自体が不足しているからだ」と述べ、「降雨不足は貯水池のみならず帯水層にも影響を及ぼしているため、いくら試錐孔を掘っても役に立たない」と説く。

スワジランドの旱魃について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan

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