SDGsGoal2(飢餓をゼロに)タンザニアの学校、クリーン・クッキング推進へ「エネルギークラブ」を設立

タンザニアの学校、クリーン・クッキング推進へ「エネルギークラブ」を設立

【タンザニア・ドドマIPS=キジト・マコエ】

いコック帽に色あせたエプロン姿のマリア・ジョセフさんが、タイル張りの厨房の床にしっかりと足を踏ん張る。巨大なアルミ鍋から立ちのぼる湯気のなか、彼女は両手で木製のへらを握り、鍋底で焦げつきかけた米を力強くかき返していく。|英語版

手首を返すたび、鍋底の米が上へと返され、規則正しく混ざり合っていく。米はやわらかな波のように揺れるが、鍋の縁からこぼれることはない。額には汗がにじみ、湯気が顔を包む。それでも彼女はひるまない。鍋の縁に沿ってへらを走らせ、正確な手つきで丁寧にこそげ取っていく。

だが、少し前まで、タンザニアの首都ドドマにあるブンゲ女子中等学校のこの厨房は、煙に包まれていた。空気は目を刺し、喉を締めつけた。昼になる頃には、パチパチと燃える薪の前に何時間も立ち続けたせいで、彼女の声はかすれていた。

「煙が本当にひどかったです」と彼女は語る。

「しかも、食事の準備にとても時間がかかっていました。」と振り返る。

その安堵の表情は、厨房の外へと広がる、より大きな物語を物語っている。

生徒たちによる働きかけ

ブンゲ女子中等学校は、クリーン・クッキング・エネルギーの普及を進めるより広範な取り組みの一環として、生徒主導の「エネルギー・クリーン・クッキングクラブ」を立ち上げた。これは、汚染をもたらす燃料からの脱却を目指す国の取り組みの中で、10代の女子生徒たちをその担い手の前面に据える試みである。この取り組みは、日々の暮らしの経験と政策改革を結びつけるものであり、持続可能な開発目標(SDGs)の理念とも密接に結びついている。

手頃でよりクリーンな燃料の普及を通じて、このクラブは目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を後押ししている。毎年数千人のタンザニア人の命を奪っている室内空気汚染に取り組むことで、目標3「すべての人に健康と福祉を」にも貢献する。また、薪集めや煙にさらされる負担が女性や少女に偏っている現状を和らげることで、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を支えている。

さらに、学校生活の中にエネルギー・リテラシーを取り入れることは、目標4「質の高い教育をみんなに」の達成にもつながる。木炭への依存を減らすことは、森林破壊の抑制を通じて目標13「気候変動に具体的な対策を」と目標15「陸の豊かさも守ろう」に資する。政府、学校、民間の連携によって進められている点で、この取り組みは目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」も体現している。

このクラブの際立った特徴は、これまで省庁の会議室で語られてきたクリーン・クッキングの議論を、10代の少女たち自身の実践へと移した点にある。

Students of Bunge Girls Secondary School in Dodoma pose for a group photo during the launch of their Clean Cooking Energy Club, an initiative placing Tanzanian schoolgirls at the forefront of Africa’s transition away from polluting fuels. The student-led club links classroom learning to the global push for clean energy access, as governments and development partners intensify efforts to reduce household air pollution affecting 2.3 billion people worldwide. Credit: Kizito Makoye/IPS
バイオマス依存の高い代償

リチャード・ムサナ校長は、旧来の方式がもたらしていた負担をよく覚えている。

「薪を使っていた頃は、わずか3カ月で1050万タンザニア・シリング(約4000米ドル)を支出していました。学校にとって大きな負担でした」と彼は語る。

負担軽減を求めて、学校は改良型木炭へと切り替えた。煙はやや減ったが、費用は依然として高かった。

「改良型木炭でも、毎月約275万3334タンザニア・シリング(約1000米ドル)かかっていました」とムサナ校長は言う。
「それでも高すぎました。」

転機となったのは、政府のクリーン・クッキング推進策であった。エネルギー省の支援を受けた官民連携により、学校は液化石油ガス(LPG)システムを導入した。現在では、1トンのガスで2カ月間まかなえるという。

「ガスを使うことで、月々の費用は275万3334シリングから135万5300シリング(約500米ドル)にまで減りました」とムサナ校長は話す。
「大きな節約になっています。このエネルギーは利用者に優しく、特に調理師たちにとって助かっています。」

改修された厨房の内部では、すすで黒ずんでいた壁がきれいにされ、鍋はパチパチと燃える炭火ではなく、制御された青い炎の上で煮立っている。

再びコンロの前に立つマリアさんは、鍋のふたを持ち上げ、さらに勢いよく立ち上る蒸気を逃がした。

「この近代的なコンロで料理するのが好きです」と彼女は言う。
「煙が出ないし、もう目がかゆくなりません。」

国家目標

クラブ発足式で、サロメ・マカンバ・エネルギー副大臣は政府の目標を明らかにした。

「私たちの目標は、2030年までにすべての家庭とすべての施設がクリーン・クッキング・エネルギーを利用するようにすることです」と彼女は述べた。
「クリーン・クッキング・エネルギーの利用率は、2021年の6.9%から、2025年現在では23.2%にまで伸びています。」

この取り組みは、まさに時宜を得たものである。2024年に開催された「アフリカ・クリーン・クッキング・サミット」では、汚染燃料からの転換を加速させるため、世界の指導者たちが過去最高となる22億米ドルの拠出を約束した。

国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界では依然として推計23億人が汚染燃料で調理している。サハラ以南アフリカでは、バイオマスへの依存が依然として支配的であり、森林破壊、室内空気汚染、炭素排出の増加を招いている。

タンザニアでは、施設部門の遅れが際立っている。学校、病院、刑務所など、1日100人以上に食事を提供する3万を超える大規模施設のうち、クリーン・クッキング・システムを導入しているのはわずか1136施設にすぎない。残る施設の多くは、依然としてバイオマスに頼っている。

教科書から台所へ

学校の中庭では、エネルギー・クリーン・クッキングクラブのメンバーたちが日常的に集まっている。ノートと計量カップを手に、木炭とガスでの沸騰時間を比較し、家庭で木炭にかかる費用を計算し、換気の悪い厨房で煙がどのようにたまるかを示す図を描いている。

「両親は、ガスは高すぎると思っています」と話すのは、5年生のレヘマ・マリヤさん。
「でも、毎週木炭にいくら使っているのかを見せると、考え方が変わり始めます。」

16歳のリリアン・マサウェさんにとって、この問題は個人的な意味を持つ。

「もし祖母がもっと良い調理用コンロを使っていたら、毎晩せき込むこともなかったはずです」と彼女は言う。

政府統計によれば、タンザニアでは伝統的な調理法に起因する家庭内空気汚染によって、年間推計3万3000人が命を落としている。最も大きな影響を受けるのは女性と子どもたちである。

薪集めは、女性や少女を暴力の危険にさらす。母親の背中におぶわれた乳児は、換気の悪い台所で有害な煙を吸い込む。多くの家庭にとって、木炭は好みではなく、貧困と限られたインフラによって選ばざるを得ない現実なのである。

転換を支える資金調達

当局者らは、鍵となるのは手ごろな価格だと指摘する。マイクロクレジットや従量払い方式を通じて、各家庭は改良型コンロやLPGシステムを、初期費用の全額を一度に支払うことなく導入できる。

この転換はまた、特に女性にとって、クリーン・クッキング技術の販売や整備に携わる経済的機会とも見なされている。

「クリーン・クッキングへの移行は、政府だけの事業ではありません」と、クラブ発足後にマカンバ副大臣は語った。
「市民、学校、宗教団体、地域の指導者たちの参加が必要です。」

一歩を踏み出す世代

再び学校の中庭。午後のベルが鳴っても、議論は続いていた。

「エネルギーは、単なる電気のことではありません」と、ある生徒は言う。
「健康や森林、気候、そして私たちの母親たちに関わることなのです。」

クラブのメンバーたちは各家庭からデータを集めており、その結果を地元当局に提示する計画である。多くの生徒にとって、この活動は極めて個人的な意味を持つ。

「煙がなぜ危険なのかを母に説明すると、母はこれまでとは違う受け止め方をしてくれます」と、クリーン・クッキング推進役の一人であるスザンナ・キボナさんは話す。

タンザニアのクリーン・クッキングへの移行は、単にコンロを置き換えることではない。それは、習慣を変え、知識を広げ、日々の暮らしを形づくる意思決定への参加を広げることでもある。

ブンゲ女子中等学校では、かつて政策決定者だけのものだった議論に、10代の少女たちが加わり始めている。彼女たちは、台所の煙を気候変動への公約と結びつけ、家庭の支出を国家の改革へとつなげている。

「私たちは、明日のより良いリーダーになるための準備をしています」とマリヤさんは語った。

This article is brought to you by IPS NORAM in collaboration with INPS Japan and Soka Gakkai International, in consultative status with the UN’s Economic and Social Council (ECOSOC).

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