【ナイロビIPS=クワンボカ・オヤロ】
ウガンダ北部では、神の抵抗軍(LRA)と政府軍の武力闘争が続いている。ジョセフ・コニー( Joseph Kony )率いる反乱軍は、聖書の10戒に基づく政府の樹立を主張しているが、子供を兵士や慰安婦、召使に使うなどの人権侵害で悪名を馳せている。
20年に亘るこの紛争は、2006年に最初の休戦で合意したが、最終和平合意の目途は立っていない。コーニーは、4月10日にスーダンとコンゴ民主共和国の国境地点で和平合意に署名する予定であったが、更なる話し合いを要求していると伝えられる。国際刑事裁判所(ICC)がコーニーを始めとする反乱軍リーダーを戦争犯罪者として裁こうとしていることが、和平交渉を一層難しいものにしている。LRAは武装解除の条件として、ICCの裁判中止命令を要求しているのだ。
ジュネーブを拠とする「国内難民監視センター」によれば、同紛争により現在約123万の人々が難民キャンプや仮設居住地での暮らしを余議なくされているという。
カンパラに本部を置く市民団体「女性のための民主主義フォーラム」のローズマリー・ニャキコンゴロ氏は、「難民キャンプの女性達は性的迫害に遭っている。夫さえ、彼女達に兵隊の所へ行き金を貰って来いという始末だ」と言う。また、国連人口基金(UNFPA)のプリモ・マドラス氏は、「8歳の女子も食糧を得るため体を売ることを余儀なくされている」と語っている。
UNFPAの2007年調査によると、難民キャンプ内では避妊具の需要が高く、配布されるとすぐに無くなるという。しかし、これらは容易に手に入るものではなく、無料で1か月配られたかと思うと、翌月には有料になったりする。その上、戦争状況下では、“産めよ増やせよ”の感覚が浸透しており、失った家族の代わりを産まなければとのプレッシャーも強い。
その結果、難民キャンプの女性1人当たりの出産は7.4人と全国平均の6.7人を上回る。(ウガンダ統計局)また、全国的には18歳以下の母親は全体の25パーセントであるが、キャンプ内では40パーセントを超える。言うまでもなく、エイズも蔓延しており、全国感染率の6.5パーセントに対しキャンプ内では12パーセントに達している。
ウガンダ難民キャンプの惨状について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩