ニュース2024年の主要優先課題: グテーレス事務総長、世界平和推進における国連の役割を強調

2024年の主要優先課題: グテーレス事務総長、世界平和推進における国連の役割を強調

【国連ATN(American Television Network)】

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、総会での演説で世界の指導者たちに厳しいメッセージを発し、平和と持続可能な開発の緊急の必要性を強調した。

紛争の激化、不平等の深刻化、環境の悪化を背景に、グテーレス事務総長は、こうした差し迫った世界的課題に対処するために加盟国が協力して行動する重要性を強調した。事務総長は、平和と安定の促進における国連の基本的役割を強調し、加盟国に対し、国連創設の理念を再確認するよう呼びかけた。

グテーレス事務総長は、国連安全保障理事会の実効性と代表性を高めるための改革など、2024年における一連の優先課題を説明した。また、若者を意思決定プロセスに有意義に関与させる必要性や、新たなテクノロジーがもたらす機会とリスクに対処するためのグローバル・デジタル・コンパクト(国連事務総長により2021年9月に提出された報告書「我々の共通の課題(Our Common Agenda)」中に記載された12のコミットメントのうちの一つ:INPSJ)の設立の必要性を強調した。

事務総長はまた、公海条約や気候正義に関するイニシアティブの進展など、最近の外交的成果を評価する一方で、世界各地で紛争や人道危機が続いていることにも注意を喚起した。ガザ、ウクライナ、サヘル、イエメンなど、紛争の影響を受けている地域の苦しみを和らげ、安定を回復するための迅速かつ果断な行動を求めた。

さらにグテーレス事務総長は、新型コロナウィルス感染症の世界的流行と地政学的緊張によって悪化した、発展途上国が直面している経済的課題に焦点を当てた。事務総長は、これらの国々の緊急のニーズに対処し、すべての人のための包括的で持続可能な開発を確保するために、国際的な支援を強化するよう呼びかけた。

気候変動がもたらす存亡の危機に直面し、グテーレス事務総長は、世界の指導者たちに対して排出量を削減し、再生可能エネルギーへの移行を加速させる努力を強化するよう促した。また、確固たる排出削減目標やクリーン・エネルギー・インフラへの投資拡大など、野心的な気候変動対策の必要性を強調した。

Photo: The UN General Assembly Hall. Credit: Manuel Elias/UN.
Photo: The UN General Assembly Hall. Credit: Manuel Elias/UN.

最後にグテーレス事務総長は、世界規模での平和、繁栄、持続可能性の推進に対する国連の揺るぎないコミットメントを改めて強調。国際社会に対し、こうした共通の目標を達成するために協力するよう呼びかけるとともに、今後の課題にはすべての利害関係者の一致団結した果断な行動が必要であることを強調した。

世界が無数の複雑な課題に取り組む中、グテーレス事務総長の演説は、来るべき世代のより平和で豊かな未来を形作る上で、多国間協力と集団行動が極めて重要であることを痛感させるものとなった。(原文へ

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