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ニュース核政策は「生命への権利」を侵害すると市民社会が警告

核政策は「生命への権利」を侵害すると市民社会が警告

【ジュネーブIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】

軍備管理・軍縮の取り組みが停滞する中、市民社会組織は、核政策は「生命への権利(=生きる権利)」に反すると主張している。「すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。」と、市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)第6条は宣言している。

この条約に規定されている「生命への権利」をもとに、英国とオランダの軍備管理・軍縮推進団体が、両国の核兵器政策に異議を唱えた。

これらの団体は、最近、国連人権理事会において、この政策が「生命への権利」に違反しており、核兵器の威嚇や使用は、この権利と相容れず、国際法上の犯罪にあたるという結論を出していることを宣言した。

これらの主張は、ICCPRを含む国際人権法の下での英国とオランダの義務に関する普遍的定期的レビュー(UPR)の一環として、団体から人権理事会に提出された文書においてなされている。

3月31日に提出された文書では、生命への権利に適合するために、各国政府が取りうる政策行動についていくつかの提言がなされている。その中には、先制不使用政策の採用、核兵器システムの更新計画の中止、安全保障政策における核兵器の役割を段階的に縮小する措置、2022年のNPT再検討会議でNPT75周年にあたる2045年までに世界的に核兵器を廃絶する目標を推進すること、などが含まれている。

Photo Credit: climate.nasa.gov
Photo Credit: climate.nasa.gov

また、核兵器と気候変動との関連性(ネクサス)を強調する項目もあり、英国に対しては、核兵器の予算を再生可能エネルギー開発や気候変動対策資金に再配分すること、オランダに対しては、気候変動の問題を国際司法裁判所に提訴するイニシアティブを支持することなどが提言されている。

国連人権委員会は2018年10月に、「一般コメント36号」を採択し、核兵器の威嚇や使用は「生命に対する権利の尊重」と両立しないと断言し、ICCPR締約国は核兵器の開発、取得、備蓄、使用を控える義務があり、また既存の備蓄分を廃棄し、世界的な核軍縮を達成するために誠実に交渉を進める義務があるとした。提出された文書は、英国とオランダの核兵器政策がこれらの義務に違反していると論じている。

今回の文書は、ウクライナ戦争を巡ってロシアが核戦争の威嚇を行った中で提出されたものであり、核抑止政策のリスクへの対応が極めて重要であることを改めて認識させられる。ロシアは中国、フランス、英国、米国と共に5つの核兵器国の1つである。5カ国は核不拡散条約(NPT)により、核兵器の保有が公式に認められており、核戦争を起こす選択肢を保持している。

NPTに核兵器国として規定されていない4カ国、パキスタン(165)、インド(156)、イスラエル(90)、北朝鮮(40-50)は、NPT上の核兵器国と合わせて推定約1万3000発の核兵器を保有している。これらのほとんどは、広島に投下された核兵器の何倍もの殺傷力を持つ。さらに、核兵器の保有と使用を認めている他の31カ国もこの問題の一部である。

The World’s Nuclear Weapons/ ICAN

例えば、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコは自国領内に米国の核兵器をホストしている。米国はこれらの核兵器の運用管理を維持していると主張するが、実はこれらの国々に配置されていることが米国の核戦争計画に役立っているのである。

また上記5カ国以外にも、米国が主導する北大西洋条約機構(NATO)やロシアが主導する集団安全保障条約機構(CSTO)など、防衛同盟の一環として自国に代わって核兵器の使用の可能性を認め、核兵器の保有と使用を「是認」する国は26カ国にのぼる。

UNFOLD ZEROの共同設立者であり、提出団体の一つであるバーゼル平和事務所のアラン・ウェア所長は、今回文書を提出した決定的な理由について、「核武装国やその同盟国が関与する緊張が高まっている時、核兵器使用の計画や準備は、人道的大惨事となる核戦争のリスクを高め、現在および将来の世代の権利に深刻な影響を与えることになるからです。」と説明した。

ウェア氏はさらに、「核兵器に関する『生命への権利』を遵守することは、従って、全人類の権利に影響する緊急の問題に他なりません。」と語った。

Nuclear submarine HMS Vanguard arrives back at HM Naval Base Clyde, Faslane, Scotland following a patrol./ By CPOA(Phot) Tam McDonald – Defence Imagery, OGL v1.0

英国における核兵器の重要性は、化学および生物学的能力、またはそれに匹敵する影響を及ぼす可能性のある新技術からの脅威への対応を含め、幅広い状況下で核兵器を使用する可能性のある政策オプションのもと、いつでも発射可能な約160個の核弾頭(戦略原子力潜水艦4隻に各40個)を配備している事実にある。

オランダはフォルケル空軍基地に約20個の米国製核爆弾B61を保有し、戦時にはこれをオランダ空軍のF16戦闘機で潜在的目標に「運搬」する作戦手段を維持している。

国連人権理事会が提出書類の課題や提言を取り上げ、英国やオランダに指示することを決定した場合、両国はこれに応えることが義務付けられている。

ロシア、米国、フランス、カナダ、デンマーク、アイスランド、北朝鮮の核政策に関しても、2020年と21年に人権理事会や他の国連人権機関に同様の提出が行われたが、関連機関ではこの問題は本格的に取り上げられることはなかった。ロシアによるウクライナ侵攻に起因する核戦争の脅威が高まっている現在、人権理事会がこの問題を現在の審査サイクルでより高い優先順位とするよう、有識者たちは期待している。

英国に関する書類は、アボリション2000UK、平和を求めるアオテアロアの弁護士、スイス核軍縮法律家協会、バーゼル平和事務所、バートランド・ラッセル平和財団、クリスチャンCND、CNDウェールズ、国際反核法律家協会、 International Forum for UnderstandingLABRATS(核爆弾のレガシー/核実験の生存者を認知する会)、非核平和都市、パックス・クリスティ・スコットランド、地球的責任のための技術者・科学者国際ネットワーク、Sheffield Creative Action for Peace、平和のための結集決議、ウエストミンスターウエストロータリークラブ平和委員会、若者フュージョン、 世界未来評議会、その他80000人が提出した。

オランダに関する書類は、平和を求めるアオテアロアの弁護士、スイス核軍縮法律家協会、バーゼル平和事務所、オランダ教会協議会、国際反核法律家協会、パグウォッシュ・オランダ、平和法廷、世界未来評議会、気候正義のための世界青年の会、若者フュージョンが提出した。(原文へ

ICCPR締約国:2020年5月時点では、署名のみの国は74か国であり、そのうちまだ批准もしていないのは中華人民共和国、コモロ、キューバ、ナウル、パラオ、セントルシアの6か国である。サウジアラビアとミャンマーは署名もしていない。それを除く批准国と、加入国を合わせると、締約国は173か国である。出典:ICCPR-members: Dark Green – signed and ratified, Light Green – signed, but not ratified, Orange – signed, ratified but has stated it wishes to leave the covenant./ By Dudeman5685 – Own work, CC BY-SA 3.0

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This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC on 21 May 2022.

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