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ニュース視点・論点世界人権宣言の精神に戻るべきとき(アイリーン・カーン)

世界人権宣言の精神に戻るべきとき(アイリーン・カーン)

ムンバイで容赦ないテロ事件がおきた。ウガンダへはコンゴ東部で起こった戦闘から逃れる人びとが殺到している。イランでは10人が処刑された。スリランカでは30万人の市民が家を追われている。世界人権宣言の60年を祝うにはあまり適切なときではないように思える。 

しかし、こうした記念のときは、考えを新たにするときでもある。多くの点において、今日の人権状況は1948年よりも改善している。男女平等、子どもの権利、公正な裁判などの価値は今日定着している。しかし、同時に、今日の世界は、不正や不平等などがいまだにはびこっている社会でもある。

 政府には人びとの安全を守る義務がある。しかし、9・11テロ以後の世界では、治安を守るためにという名目で、グアンタナモ刑務所が維持され、拷問が許容され、公正な手続きが後退してきた。自由世界は、まさに自由であるという理由で、テロリストから攻撃されたのである。安全の名の下にみずから自由を放棄しては、まさにテロリストの思うつぼだ。 

また、今日の金融危機の下で、ウォールストリートやシティの貪欲な者たちのために、貧困層が傷ついている。ホーチミンシティの工場で働く女性、西アフリカ・マノ川の鉱山で働く労働者、中国の工業団地の労働者、インドへとアウトソーシングされた電話案内センターのオペレーター、こういう人たちが金融危機によってもっとも大きな被害を受けるのである。 

私たちは、貧困をなくすという意味で人権を守ることと、テロに直面して人権を守ることという2つの課題に直面している。 

1948年には、大きな課題に直面して、世界の指導者たちが世界人権宣言をうみだした。今日の指導者たちもまた、そうすべきなのである。(原文へ) 

翻訳/サンプルサマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩 

*アイリーン・カーン女史は、アムネスティインターナショナル事務局長。 

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