【IDN東京=石田尊昭】
7月29日付の中国新聞・セレクトのコラム「想」に、尾崎行雄に関する論評を掲載して頂きました。
ご存じの通り、尾崎は1912年の憲政擁護運動の際、犬養毅とともに「憲政の神様」と呼ばれ、日本に真の立憲政治・民主政治を根付かせようとした政治家です。
同時に彼は、1920年代から第2次世界大戦まで一貫して軍縮を唱え、戦後は「世界連邦」の建設を呼びかけた平和主義者としても知られています。しかし、それをもって尾崎を非武装・非暴力の理想主義者と捉えるのは早計でしょう。
尾崎が軍縮を唱えた背景には、あくまで日本という国の存続のために、当時の世界情勢と日本の国力を冷静に分析した上での判断があったと言えます。
また「世界連邦」も、「世界平和という高邁な理想」から導いたというよりも、日本に投下された原子爆弾の威力を目の当たりにし、このままでは日本も世界も滅ぶという危機感から考え出したものと言えます。
政治家が理想(あるべき姿)を掲げることは大切ですが、現実離れした理想論ばかりに終始したのでは意味がありません。
尾崎も、国や国民のあるべき姿を説き続けましたが、そこには常に、内外情勢を冷静に把握した上での、現実的視点からの判断がありました。
今回掲載された論評では、以上のように、理想を掲げつつも、現実的かつ世界的視点で政治判断をしていった尾崎を強調しています。
本文は以下のPDFでご覧頂けます。
中国新聞・セレクト・コラム「想」 憲政の父・尾崎に学ぶ(石田尊昭)
なお、余談ですが、私の実家・広島では中国新聞のシェアは物凄く、私もずっと同紙を読んで育ちました。発行部数も地方紙としては最大規模だそうで、今回掲載して頂けて本当に光栄です。
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