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ニュース視点・論点|ネパール|現実主義的な毛沢東主義へ(クンダ・ディキシット)

|ネパール|現実主義的な毛沢東主義へ(クンダ・ディキシット)

【IPSコラム=クンダ・ディキシット『ネパール・タイムズ』の編集長】

1996年にネパールの君主制打倒のためのゲリラ戦を始めたとき、プラチャンダ首相は頻繁に「米国の帝国主義とインドの拡張主義」を非難していた。1998年のインタビューで、彼は、ネパール共産党毛沢東主義派(毛派)はインド軍の侵略と戦い、ネパールの革命を「インドへ、そして世界へ」と広げていく展望すら語っていた。

 9月18日、プラチャンダ首相はインドへの公式訪問を終えてカトマンズに帰り、一晩だけ休んだあとすぐに米国へと旅立った。いまやスーツとネクタイに身を包むようになった首相は、毛派は信頼に足る相手であり、ネパール国内に積極的に投資してほしいと売り込んでいるのである。 

毛派は1996年にゲリラ戦を開始し、2005年からは議会政党と連合を組んで、君主制を打倒することに成功した。今年4月の総選挙で勝利し、連立与党を率いることになった。2年前には考えられないことであった。 

ネパール政府は現在、予算策定の途中だ。来年度の40億ドルの予算案は前年比30%増という積極的なものだが、内戦によって破壊されたインフラの再建に多くを割り当てるなど、きわめて現実主義的な色彩が濃い。 

バッタライ財務大臣の狙いは、インフラ投資にネパール経済の成長を牽引させることだ。彼は、水力発電を10年間で10倍にし、年間成長率を7%、2011年までには二ケタ成長にまで持っていくという野心的な計画を持っている。 

しかし、毛派が本当に実現しなくてはならないのは、貧しい人びとを食わせることだ。人口2780万人のうち半分以上が貧困線以下の暮らしをしている。食料価格は20%も高騰している。労働市場に参入する毎年45万人に職を見つけなくてはならない。今は、このうち半分が、インドやペルシャ湾岸諸国、マレーシア、韓国などへ出稼ぎに出て行くいくのである。 

また、国内の政治的な安定も図らねばならない。 

これらはいずれも大きな課題だが、この2年間、比較的スムーズに君主制から毛派の主導する民主政体に変わってきたことを考えると、毛派政権が課題を達成しうる十分なチャンスがあるといえよう。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 

*クンダ・ディキシット氏は、『ネパール・タイムズ』の編集長・発行人で、IDN-InDepth News編集委員、前IPSアジア・太平洋総局長。

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