【国連IPS=ミスレ・サンドラサグラ】
ニューヨークに集まったパレスチナとイスラエルの女性リーダーたちが、パレスチナ紛争の和平交渉開始に向けて国際社会の関与を訴える声明を出した。
今回集まったのは、「公正で持続可能なパレスチナ・イスラエルの平和を求める国際女性委員会」のメンバーたち。同団体は、2005年7月にトルコのイスタンブールで初めての会議を持ち、紛争解決と持続的平和に向けた女性の貢献の重要性をうたった国連安保理決議1325の実施を誓った。
彼女たちは、今年1月にハマスがパレスチナ議会選挙で勝ったことにより、国際社会が中東の和平プロセスから距離を置こうとしている事態に懸念を表明している。
イスラエル議会の元副議長ナオミ・チャザン氏は、「交渉のテーブルがないことが現在の問題だ」という。今年3月にヘブライ大学と「パレスチナ政策・調査研究センター」が合同で行った世論調査によれば、イスラエル・パレスチナ双方の市民の大部分が、一方的な行動よりも交渉を通じた紛争解決を望んでいるとの結果が出た。
イスラエル議会の現副議長コールット・アヴィタル氏は、イスラエルの国会議員の大部分が、「2ヶ国」という解決を志向するのは1967年以来始めてだと強調した[イスラエル側がパレスチナ側を主権国家として承認することを意味する:IPSJ]。
「発展を目指すパレスチナ働く女性の会」のアマル・クレイシェー代表は、「ハマスは一枚岩ではない。広く対話を進めるために応援すべき穏健な意見がハマスの中にはある」と語る。また、パレスチナの「女性法律扶助・相談センター」のマハ・アブ-ダエイ・シャマス氏もいう。「ハマスが交渉入りに同意すれば、ファタハもいやとはいえなくなる。そうすれば、両国の政府と野党がいずれも賛成した初めての交渉ということになる」。
パレスチナ・イスラエルの和平交渉入りを訴える女性たちの活動について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩
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