地域アジア・太平洋マーシャル諸島の市民が核実験で直面した状況に関する警告:UN専門家が「持続可能な解決策」の必要性を訴える(アーカイブ)

マーシャル諸島の市民が核実験で直面した状況に関する警告:UN専門家が「持続可能な解決策」の必要性を訴える(アーカイブ)

2012年当時、国連の特別報告者として、マーシャル諸島の現地調査を行い、米国によって実施された核実験が、環境に壊滅的な被害を与え、島民に世代を超えた深刻な健康被害を引き起こした問題について、国際社会に真剣な対策を求めたカリン・ジョルジェスク氏(昨年11月下旬のルーマニア大統領選選挙で最も多い票を獲得しながら、米国の干渉で選挙そのものが無効となり、西側大手メディアからも極右の候補として報じられている渦中の元国連高官について、国連ニュースのアーカイブから同市の足跡を一部を紹介した記事。)

【国連ニュース/INPSJアーカイブ】

60年以上前に行われた核実験の影響でコミュニティが移住を余儀なくされた問題について、「持続可能な解決策」が未だ見出されていないと、国連の独立専門家が警告した。

Image: Viktor_IS/shutterstock.com
Image: Viktor_IS/shutterstock.com

ビキニ、エネウェタク、ロンゲラップ、ウツリックの各地域の被害を受けたコミュニティの声と体験を聞きました。核実験の結果、これらすべてのコミュニティは、先住民族としての生活様式から何らかの形で切り離される苦しみを経験してきました。」と述べたのは、環境的に健全な有害物質や廃棄物の管理・処分に関する人権義務を担当する特別報告者であるカリン・ジョルジェスク氏だ。

1946年から58年にかけて、マーシャル諸島では67回の核実験が実施された。当時、同諸島は国連の信託統治下で米国が管理していた。

独立専門家、または特別報告者は、人権理事会によって任命され、特定の国の状況や人権問題のテーマについて調査・報告を行う。この役職は名誉職であり、国連職員ではなく、その活動に対する報酬も支払われない。

マーシャル諸島への特別報告者として初の現地調査を終えたジョルジェスク氏は、多くのコミュニティが「自国で『放浪者』のように感じており、多くが長期的な健康被害を受けている。」と述べた。

U.S. nuclear weapon test Ivy Mike, 31 Oct 1952, on Enewetak Atoll in the Pacific, the first test of a thermonuclear weapon (hydrogen bomb). Source: Wikipedia.
U.S. nuclear weapon test Ivy Mike, 31 Oct 1952, on Enewetak Atoll in the Pacific, the first test of a thermonuclear weapon (hydrogen bomb). Source: Wikipedia.

ジョルジェスク氏は、核実験計画の影響に対応し、持続可能な進展を確保するために、戦略的かつ長期的な対策を講じる必要性を強調した。また、同国の気候変動がもたらす特有の課題にも対応する必要があると述べ、マーシャル諸島政府、米国、国際社会に対し、被害者の状況を改善するための効果的な方法を模索するよう求めた。

「被害を受けたコミュニティは解決策を探していますが、いまだに自分たちやその家族が移住以前の生活に匹敵する地位を回復したとは感じていません。」とジョルジェスク氏は述べた。「これら4つの被害を受けた環礁の各コミュニティは、核実験に関してそれぞれ独自の歴史を持っており、それぞれに特化した解決策が必要です。」

さらにジョルジェスク氏は、国の長期的な存続のためには教育が重要であると強調した。特に、ビキニ環礁を含む文化的および環境的遺産を持続的に保全する必要性が高まると指摘した。ビキニ環礁は国連教育科学文化機関(UNESCO)により世界遺産に登録されている。

4日間の調査期間中、ジョルジェスク氏はクリストファー・J・ロアク大統領をはじめ、政府関係者、大臣、上院議員、高官、専門家、学者、市民社会、地域コミュニティ、報道関係者らと会談した。同氏は最終報告書を9月に人権理事会に提出する予定だ。【2012年3月30日 国連ニュース

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