【カイロIPS=アダム・モロー、カレッド・モウサ・アルオムラニ】
エジプト政府がイスラム教徒の集団である「ムスリム同胞団」への弾圧を強めている。1月28日には、当局が、資金洗浄に関与していたとの容疑で、同胞団に関連した29人の経営者の資産を凍結した。
対象者の中には、同胞団の最高指導者代理であるカイラート・アルシャタル氏も含まれていた。悪いことに、アルシャタル氏とその他の15名は、その前日に釈放されたばかりであった。被疑者側は異議申し立てをし、裁判所は最終決定を2月24日まで延期したが、その間も資産は凍結される。
12月中旬以降、当局による弾圧は加速している。12月10日に首都カイロのアルアズハール大学において同胞団系の学生が集会を開いたのがきっかけだと見られている。国家メディアではこの集会をまるで「軍事パレード」だと記述した。この集会の直後に、当局は120名の学生と20名の同胞団幹部を、騒擾を教唆したとの容疑で逮捕している。
同胞団は、これら一連の弾圧は当局の政治的思惑によるものだと批判している。エコノミストであり「サダト・アカデミー」の元代表であるハムディ・アブデル・アジム氏は、弾圧は、来る上院議員選挙と地方選挙に先がけて、同胞団の資金源を断つ目的を持っている、と指摘した。
エジプトのムスリム同胞団弾圧について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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