【国連IPS=タリフ・ディーン】
国連は4月3日、母体からのエイズ感染防止は可能だとする報告書を発表した。
2007年現在、15歳以下のエイズ死亡者は29万人。サハラ以南のアフリカ諸国では1,210万人の子供が両親あるいは片親をエイズで失っていると予測される。
「子供とエイズ」と題された同報告書は、1)エイズ/HIVは子供の成長に深刻な影響を与えており、貧困、途中退学、差別を余儀なくされる子供は数百万人に達する、2)HIVに感染している子供210万人の殆どは出産あるいは授乳中の感染による、3)15歳以上の感染者の内15-24歳の若者が40%を占める、と述べている。
ユニセフのアン・ヴェネマン事務局長は、「今日の子供、若者は、エイズの無い社会を知りません。毎年数千人がこの病気で死亡し、数百万の親、親族を失っています。グローバル・エイズの課題は子供を中心に据える必要があります」と語っている。
国連報告によれば、エイズ感染を防ぐ手段を持たない青少年が最もエイズに犯され易く、エイズ対策の重要な鍵になるという。
母体感染防止キャンペーンは、2005年10月に国連が「子供のための連帯、エイズに対する連帯」と称し国連合同エイズ計画(UNAIDS)、WHO、ユニセフと共同で成果の見直しをし、母親から子供への感染防止、小児科治療の提供、青少年間の感染の防止、エイズに感染した子供達の保護/支援の4つを今後の課題に設定したことに遡る。
同報告書は、資金拠出のギャップは存在するものの、政府、ドナーのリソース提供は増加しており、2004年には61億ドルであった資金が2007年には100億ドルに増加。特に母親から子供への感染防止はかなりの成果、進歩を遂げていると述べている。
今回、国連は子供への感染防止を目的に、1)コミュニティー、家族の連携強化、2)保健、教育、社会保障システムの強化、3)母親、乳幼児のための母子感染予防対策の統合、4)防止活動強化のためのデータ、評価システムの統合の4つの分野で行動を強化するよう呼びかけている。国連の新エイズ防止策について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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