ニュース|パキスタン|相次ぐ自爆テロに心病む市民

|パキスタン|相次ぐ自爆テロに心病む市民

【ペシャワールIPS=アシュファク・ユスフザイ】

シェルパオ前内相の2度目の暗殺を企て48人の死者と200人近い負傷者を出した12月21日のパキスタン北西辺境州(NWFPでのモスク自爆テロを含め、パキスタンは今年、親タリバン勢力や外国の過激派によるかつてない数の自爆テロに見舞われた。最悪のものは、10月ベナジール・ブット元首相の帰国を祝うパレードを狙った自爆テロである。このカラチでの自爆テロでは、およそ130人が死亡、500人が負傷した。 

暴力の激化で、パキスタンの部族地域とスワット渓谷では副次的な悪影響が見られている。

 NWFPの州都ペシャワールの精神科医アムジャド・アリ・シャー医師は「2002年から紛争地帯では(親タリバン派による)暴力の激化とそれに対する軍の作戦で、男も女も子どもも、皆が深刻な心的外傷後障害に苦しんでいる」と話す。 

病院の記録を調べたところ、精神病患者の数は2005年の706人から2007年1~11月には1001人に増加した。 

ペシャワールのカイバー大学付属病院の精神分析医クルシード・カーン医師は、学校は無期限で閉鎖され、通りをうろつく子どもたちは著しい暴力にさらされていると訴える。人々は、軍、政治家、タリバン、米国を非難する。誰が友で誰が敵なのか、皆が混乱している」 

厳格な社交儀礼や階層制を行動の指針としてかつては恐れを知らなかった人々も、今では皆が不安と不信に苦しんでいる。 

 こうした苦しみは、国境に配備されたパキスタンの自警団も同様である。親タリバン派武装勢力と戦う兵士たちは、心理的障害を病院に訴えている。彼らは、誰が敵で誰が味方なのか、混乱している。 

NWFPのバンヌに拠を置くアスラム・カーン医師によれば、ワジリスタン州では2人に1人がうつ病に苦しんでいる。病院に連れてこられた多くの女性や子どもたちが血まみれの遺体の夢を繰り返し見ると訴え、政府軍と過激派の戦闘で家を失った家族は極貧に喘いでいるという。 

民主主義は回復された。しかし、過激派と軍の板挟みになっているパキスタンの一般市民が「対テロ戦争」の代償を払うことになる。(原文へ) 
 
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩 


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