【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】
アントニオ・グテーレス国連事務総長は、1994年のルワンダ大虐殺(ジェノサイド)を考える記念日(4月7日)に寄せたビデオメッセージの中で、国際社会に対し、憎しみでなく人間性、残酷さでなく思いやり、自己満足でなく勇気、怒りでなく和解を選択するよう促した。
グテーレス事務総長は、3ヶ月足らずの間に100万人(ツチ人とジェノサイドに反対したフツ人やその他の人々)のルワンダ人が虐殺された恐怖を、現在ウクライナで進行している「忌まわしい暴力」を静かに結びつけていた。「殺害された人々を悼み、国際社会として当時の失敗を反省しなければなりません。」とグテーレス事務総長は語った。
ルワンダのポール・カガメ大統領も4月7日、首都キガリの虐殺記念館で行われたルワンダ大虐殺の年次の追悼式典に出席し、花輪を捧げた。この式典は、厳粛な追悼行事が続く1週間の始まりとなった。
カガメ大統領は、「想像してみてください。人々が、昼も夜も自分が特定の民族に属しているという理由で追い回されている様子を。また、私たちが武器を持っていたら、そして、同胞を無差別に殺戮しる人たちを追いかけることを許していたらと。まず、そうすることが正しいでしょう。しかし、私たちはそうせず、赦すことにしました。赦された人々の中には、今も自分の家や村で暮らしている者もいますし、政府や企業に勤めている者もいます。」と語った。
グテーレス事務総長は、「保護する責任」の原則と、人権を組織の中心に据えた「行動への呼びかけ」に注意を促した。「私は、再発防止という課題を国連の活動の中心に据えてきました。」と語った。
一方でルワンダ大虐殺を振り返り、「もっと多くのことができたはずであり、そうであるべきでした。事件から1世代が経過しても、恥の汚点は消えません。私たちは当時の教訓を確実に心に留めなければなりません。」と付け加えた。
また、グテーレス事務総長は、「今日のルワンダは、人間の精神が最も深い傷を癒し、より強い社会を再構築するために最も暗い深みから立ち上がる能力の強力な証として立っています。筆舌に尽くしがたいジェンダーに基づく暴力や差別に苦しんだルワンダの女性たちは、今や議会において60パーセント以上の議席を占めており、同国は世界をリードするに至っています。」と語った。
ルワンダは、国連平和維持活動の第4位の貢献国だ。グテーレス事務総長は、「彼ら自身が知っている痛みを他の人々が経験しないですむように貢献しています。」と語った。
一方、ウクライナは炎上し、中東やアフリカなどでは新旧の紛争が悪化している。その一方で、安全保障理事会は「ほとんど同意しない」ことに同意している。
グテーレス事務総長は、自責の念をもって振り返る一方で、「決意を持って」前を向き、「常に警戒し」、決して過去を忘れないよう、すべての人に呼びかけた。
「尊厳と寛容、そしてすべての人のための人権の未来を築くことで、亡くなったルワンダの人々を追悼しようではありませんか。」「私たちには常に選択肢があり、加害者はもはや免罪符を手にすることはできないのです。」と、グテーレス事務総長は締めくくった。(原文へ)
INPS Japan
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