【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】
ウクライナでの戦争は、欧州に資金を振り向け、アフリカの危機から何百万ドルも流出させている。
戦争が主な原因で食糧不足に直面しているソマリアは、最も脆弱な立場に置かれる可能性がある。その援助資金は昨年の半分以下である。一方、欧米の援助国は欧州での戦争に対応するために17億ドル以上を送っている。
国連のデータによると、ウクライナに対する22億ドルの支援要請は、ほぼ80%の資金が集まっており、年度半ばの危機としては「例外的」なレベルである。これに対し、ソマリアへの支援は要請額のわずか30%に過ぎない。
ソマリアNGOコンソーシアムのニモ・ハッサン事務局長は、「彼らは『ウクライナに注力している』と表立っては言わないが、彼らがウクライナで何をしているかは分かるはずです。」と語った。
ハッサンや他の何人かは、援助国はソマリア支援の緊急性を理解していると信じているが、ブリュッセルやロンドンの意思決定者は欧州の戦争に気を取られているように見えると語った。
ソマリアの援助団体に50万ドルを提供する準備をしていたある援助国が、その事務局長で元ソマリア副大統領のフセイン・クルミエ氏に、代わりにウクライナ人を助けるために資金を振り向けることを告げたケースもある。
一方、東アフリカ地域では8000万人以上が食糧難に陥っている。特に子どもたちの間で急性栄養失調の割合が高い。
「USAIDの人道支援局で行政官補佐を務めるサラ・チャールズ氏はAP通信に、「残念ながら、こうした危機はゆっくりと進行し、やがて急速に進むのが特徴です。」と付け加えた。
ソマリアのある病院では、この2ヵ月間で20人以上の子どもたちが餓死している。ヤヒェ・アブディ・ガルン医師は、「ここ数十年で最も乾燥した干ばつに見舞われた地方から、衰弱した子どもたちの親がよろめきながら入ってくるのを見てきました。それなのに、人道的援助は届きません。」と語った。
干ばつから逃れたソマリア人は、バイドア市にある500以上の難民キャンプを埋め尽くしている。ノルウェー難民協議会のヤン・エーゲラン事務局長は、AP通信に対し、「怒りと恥ずかしさでいっぱいだ」と述べ、あるキャンプを助け、他の10のキャンプを無視するという「恐ろしい」選択を迫られていると語った。ノルウェー難民協議会によるウクライナでの支援は48時間以内に目標額が全額集まったが、ソマリアでの支援は、数千人が亡くなっているなかで、4分の1程度の資金しか集まっていない。(原文へ)
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