【国連ニュース/INPS=ナルギス・シェキンスカヤ】
「核戦争を回避するために、短期的に何ができるか。」核兵器不拡散条約(NPT)第10回締約国再検討会議が開催されている国連本部で、カザフスタン国連政府代表部と、核兵器なき世界を目指す日本の主要NGOである創価学会インタナショナル(SGI)が共催したサイドイベントのタイトルである。
「第10回NPT再検討会議は、新型コロナウィルス感染症のパンデミックのために延期されてきた非常に重要なイベントです。」と、カザフスタンのマグジャン・イリヤソフ国連常駐代表は国連ニュースサービスに語った。今回のNPT再検討会議は、これまでの会議と異なり、ロシアによるウクライナ軍事侵攻という現実を背景に、核兵器が実際に使用されるかもしれないというレトリックさえ耳にするなかで開催されている。このように、一部の国や政治家にとって後景に退いていた核軍縮の問題が、今再び注目を浴びている。
専門家、外交官、市民社会の代表、そして広島と長崎の原爆の犠牲者を指す日本名「ヒバクシャ」がNPT再検討会議に参加している。原爆による死者は、広島で9万から16万6千人、長崎で6万から8万人であった。今年は、アントニオ・グテーレス国連事務総長が、8月6日に広島で開催される原爆死没者慰霊式に出席している。
SGIを代表して参加した創価学会の寺崎広嗣副会長は、国連ニュースサービスに対し、「グテーレス事務総長の来日は、わが国にとって非常に重要な出来事であり、事務総長が広島から世界に向けて発する呼びかけは、日本の人々に希望をもたらすものです。」と語った。
事務総長報道官によると、グテーレス事務総長は世界の指導者たちに対して、遅滞なく核兵器の備蓄を撤廃するよう求める意向だという。また、被爆者との面会や若い世代の反核活動家たちとの対話も予定している。 寺崎副会長によると、SGIは核兵器を「絶対悪」と考え、それに対抗するために、被爆者の声を世界中に広く届ける取組みを行ってきた。
カザフスタンは、ソ連時代に繰り返し核実験が行われ、大きな被害を経験した国であり、ソ連からの独立後「核兵器のない世界」を目指す運動に積極的に参加している。イリヤソフ常任代表は、「そのような兵器(=核兵器)が存在するだけでも既に極めて危険なのです。一部のNPT会議参加者が核兵器を抑止力と考えていることは、遺憾です。」と語った。
イリヤソフ常駐代表は、核兵器のない世界を実現するためには、若者や著名人が積極的に参加することが必要だと考えています。そして、「こうすることで、この問題にもっと注意を向けることができる。」と付け加えた。(サイドイベントをINPSが収録した映像を参照ください。)(原文へ)
翻訳=国連ニュース/INPS Japan
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