【ローマIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】
国連食糧農業機関(FAO)、国際農業研究協議グループ(CGIAR)、ロックフェラー財団は、11月6日から18日までエジプトのシャルムエルシェイクで開催される国連気候変動枠組条約第 27回締約国会議(COP27)で初めて食料・農業パビリオンを公式に主催する。
COP27は、世界的なパンデミック、気候危機による圧力の高まり、エネルギーや肥料の価格高騰、紛争の長期化といった複合的な影響に世界中のコミュニティが直面している時期に開催される。これらの影響により、生産とサプライチェーンは混乱し、特に最も脆弱な人々にとって世界規模の食糧不安は劇的に増加している。
2022年の食料危機に関するグローバル報告書によると、2021年には53の国・地域で約1億9300万人が危機的またはそれ以上の深刻な食糧不安に直面し、数十年にわたる進展が損なわれている。
食料・農業パビリオンは、気候危機の解決策の重要な一部として、農業食料システムの変革を初めてCOPの議題の中心に据えることになる。
国連より承認されたパビリオンは、交渉が行われる会議場やオブザーバー団体主催の展示やサイドイベントが行われる「ブルーゾーン」に設置される。その目的は、人類と地球が直面している食糧と農業の最も差し迫った問題についての理解を深め、知識と革新的な解決策を共有することである。
様々なイベントが開催され、農業・食品システムを保護するために各国が効果的な気候変動対策を講じるための革新的なソリューションが紹介される予定だ。
FAOの屈冬玉事務局長は、「COP27では、気候変動と科学・イノベーションの2つのテーマ別FAO戦略を立ち上げ、相乗効果を発揮する予定であり、食糧と農業のパビリオンを設置することを誇りに思います。」と語った。
「このパビリオンは、農民や若者を含む地域、国、世界の関係者を招集し、農業食糧システムをより効率的、包括的、弾力的かつ持続可能に変革し、飢餓と栄養不良の撲滅に向けた努力から誰も置き去りにしないためのソリューションを模索します。」
CGIARのクラウディア・サドフ事務局長は、「気候危機における食糧、土地、水のシステム転換を支援することはCGIARの使命であり、そのリスクは今までになく高いものとなっています。何百万人もの人々が食糧不安の瀬戸際に立たされ、零細農家の生活への脅威が増しています。私たちは、FAOとロックフェラー財団と協力し、これらの重要な問題が今年のCOPの議題として確実に取り上げられることを光栄に思います。」と語った。
ロックフェラー財団のラジブ・J・シャー会長は、「気候変動は人類にとって唯一無二の脅威であり、人類と地球の両方に栄養を与える、公平で、弾力性のある、持続可能な食糧システムを構築しない限り、この問題に完全に対処することはできません。食料システムを変革するための優れたアイデアや行動は誰のものでれ歓迎すべきものであり、私たちはそうした知識を共有できるプラットフォームを支援できることを誇りに思います。」と語った。(原文へ)
INPS Japan
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