ノウルーズの祭りは、昼(光)と夜(闇)が等分になる「春分の日(=春の新年の訪れ)」に生命の再生を祝い豊穣を願う意味合いと、等分の夜に篝火を灯してその聖なる力で前年の穢れや邪気を払って新たな気持ちで新年を迎えるという意味合いがあり、日本の正月とも文化的共通点がある。この春の新年の祭りは、アゼルバイジャンをはじめ、トルコから西南アジア、中央アジア、新疆ウィグルにわたるテュルク語文化圏、インド・パキスタンの一部にまで及ぶ広い地域で祝祭とされている。(INPSJ解説)
【サムゲイトINPS=アイーダ・エイバズリ】
アゼルバイジャンの工業都市スムガイトにある国際バカロレア(IB)認定校では、生徒たちにユニークな教育体験を提供している。
世界の様々な文化、歴史、言語に関する教育に力を入れている同校では、アゼルバイジャンの春の新年であるノウルーズ(「新しい日」という意味)を祝うため、多文化理解促進をテーマとした文化イベントを開催した。このイベントには8つの提携校の学生たちが、それぞれの文化をモチーフにした、各々趣向を凝らした展示ブースを設け、当日学校を訪れた教職員やゲストは、生徒達が民族衣装で振舞う多彩な伝統料理や音楽・舞踊を堪能した。
日本の展示ブースに立ち寄ると、生徒たちが春の訪れをテーマにした詩を日本語で朗読しており、このイベントに文化的なアクセントを加えていた。
学校のカリキュラムや文化活動を通じて、生徒たちは世界の多様な文化に対する理解を深め、グローバルな視野が涵養される。国際バカロレア認定校での教育アプローチは、多様性への理解や感謝の気持ちを育む教育機関の一例と言えるだろう。
相互のつながりが強まりつつも分断されつつある今日の世界において、こうした多文化主義を推進する教育姿勢は極めて重要である。同校は、グローバル社会で活躍するために必要なスキルと知識を、次世代を担う若者達に提供し、私たちの世界を構成する豊かな文化のタペストリーを受容する素養を育んでいる。(原文へ)
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