【アブダビWAM】
「イスラエル運輸省は3月4日、アラブ人の乗客は「セキュリティー・リスク」だというユダヤ人入植者の反対を受けて、ヨルダン川西岸地区(ウェストバンク)からイスラエル中心部に通勤するパレスチナ人を対象に、新たに専用バスの運航を開始した。しかしこのようなことが実際にあり得るだろうか?このような措置は、民族毎に人々の往来を隔離する露骨な人種差別政策に他ならない。」とアラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙が報じた。
「他でもないユダヤ人国家イスラエルが、このような人種隔離政策を施行したとは、歴史の皮肉とでも言う他ない。かつて第二次世界大戦以前の欧州諸国で、ユダヤ人を標的に類似の政策が施行された歴史の教訓を、イスラエル当局関係者は、既に忘れてしまったというのだろうか?」とガルフ・ニュース紙は3月5日付の論説の中で報じた。
運輸省当局は、今回の措置は「パレスチナ人がイスラエルに入るためのサービスを改善するためのものだ。」と主張した。しかし「パレスチナ労働組合総同盟によると、国際労働機関(ILO)は、このイスラエルの措置を「あからさまな人種差別」だとして強く非難している。しかし、このような措置に対しては、ILOにとどまらず、すべてのまともな考えをもった人々や各国政府が、『(このような政策は)不快で、下品かつ不道徳であり、全く誤ったものである」という主張を堂々と声高に叫び続けるべきである。」と同紙は報じた。
またガルフ・ニュース紙は、「イスラエルがパレスチナ人の土地を不法に占領し住民を迫害していること自体、既にとんでもないことだが、今やイスラエルは公然とパレスチナ民族を侮辱しているのである。」と報じた。(原文へ)
翻訳=IPS Japan
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