【国連IPS=ナウリーン・ホサイン】
イスラエルとヒズボラの間の停戦が11月27日(水)早朝に発効した。これにより、レバノンでの両者間の13か月に及ぶ敵対行為が終結することが期待されている。
停戦のニュースは、米国のジョー・バイデン大統領から火曜日午後に発表された。テレビ演説で、イスラエル政府とレバノン政府間で合意が成立したと述べたバイデン大統領は、この停戦が「敵対行為の恒久的な停止」となることを期待すると語った。
「両国の市民が安全に自分たちの地域に戻り、家や学校、農場、ビジネス、そして生活そのものを再建することができるようになるだろう。」「この紛争を暴力の新たなサイクルにはしないという決意を持っています。」と、バイデン大統領は語った。
停戦合意の詳細
停戦合意は60日間継続する予定で、イスラエルとレバノンの国境での戦闘が終了する。また、イスラエル軍は南レバノンから段階的に撤退し、ヒズボラは南レバノンからリタニ川の北側へ撤退することが求められている。
この停戦の実施は、米国、フランス、そして国連が国連レバノン暫定軍(UNIFIL)を通じて監督する。国連は、イスラエルとヒズボラ間の敵対行為の終結と、レバノンが政府の統制を強化する必要性を求めた国連安全保障理事会決議1701(2006年)の完全実施を繰り返し呼びかけている。
双方の反応
レバノンのナジブ・ミカティ首相は停戦合意を歓迎し、「レバノンにおける平穏と安定を取り戻すための重要な一歩」と評価したが、イスラエルが合意を遵守し、決議1701を遵守すべきだと警告した。一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は停戦合意前にビデオ声明で、ヒズボラが停戦条件に違反する行動を取れば報復すると語った。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長を含む高官らも停戦の発表を歓迎した。グテーレス事務総長のオフィスから発表された公式声明では、両当事者が「合意のすべての約束を完全に尊重し、迅速に実施すること」を強く求めた。
また、国連レバノン特別調整官のジャニーヌ・ヘニス=プラスハート氏は、「停戦合意は、決議1701の完全実施を基盤とする重要なプロセスの始まりを意味する」と述べ、民間人の安全と治安を回復するための取り組みが必要であると指摘した。
紛争の影響と人道的状況
1年以上続いた紛争では、2023年10月7日のハマスによるイスラエルでのテロ攻撃を契機に緊張が高まった。今年9月には、イスラエル国防軍(IDF)が南レバノンを繰り返し攻撃し、敵対行為が激化した。
国際移住機関(IOM)のデータによれば、2023年10月以降、90万人以上の民間人が避難を余儀なくされた。レバノンとイスラエルの両国で3,823人以上の民間人が犠牲となり、そのうち少なくとも1,356人が死亡した。
国連児童基金(UNICEF)のキャサリン・ラッセル事務局長は、平和を維持するための努力を強調し、避難民やホストコミュニティの子どもたちと家族が安全に戻れるようにする必要性を訴えた。
「すべての当事者が国際法を尊重し、国際社会と協力して平和を維持し、子どもたちのより明るい未来を保証することを求めます。」とラッセル氏は語った。
停戦前の攻撃とUNIFILへの影響
停戦が迫る中、火曜日にはイスラエルの戦闘機がベイルート南部を爆撃し、24人の民間人が死亡した。アルジャジーラはバイデン大統領の発表時点でも「レバノンでの戦争は依然として続いている。」と報じた。
最近ではUNIFILも銃撃戦に巻き込まれ、任務遂行に困難をきたしている。UNIFIL本部への攻撃でイタリア人平和維持軍4名が負傷する事態も発生している。
バイデン大統領はまた、ガザでの戦闘に言及し、ガザにおける停戦の必要性を訴えた。「レバノンの人々が安定と繁栄の未来を望むように、ガザの人々も同様に平和と安定を望む権利があります。」と語り、ガザでの暴力の終結とすべての人質の解放を目指す努力を続けると語った。(原文へ)
INPS Japan/ IPS UN BUREAU
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