【ジュネーブINPS Japan/UN News=ダニエル・ジョンソン】
ウクライナ各地の家族は、ロシアによるミサイルや無人機(ドローン)の攻撃が相次ぐ中で、「常に生き延びるだけの生活(サバイバル・モード)」に追い込まれている。攻撃によって電力が途絶え、集合住宅の一部では数日間にわたり停電が続く一方、気温は命に関わる寒さまで落ち込んでいる。国連児童基金(ユニセフ)が1月16日に明らかにした。
「家族は凍える寒さを少しでも遮ろうと、窓にぬいぐるみのような柔らかい玩具まで詰め込む状況に戻ってしまっている。」と、ユニセフのウクライナ事務所代表ムニル・ママザデ氏は語った。

今回の警鐘は、南部ザポリッジャ州と東部ハルキウ州で電力インフラが攻撃を受けたと報告された、別の夜の事案を受けたものだ。これらの攻撃により、多くの住宅地で電気と暖房が失われたという。
「エネルギー網への攻撃がもたらす致命的な寒さの脅威は、戦争に上乗せされた『国規模の緊急事態』になりつつある。」と、ママザデ氏はジュネーブでの定例記者会見で語った。
同氏は、金曜日のキーウの気温がマイナス15度(華氏5度)に達したことを挙げ、来週はさらに冷え込む可能性があると警告した。国内の何百万人もの家族が、暖房、電気、水の供給なしに暮らしているという。
「そのため、子どもと家族は常に生き延びるだけの生活を強いられている。」と語った。
支援の重点が変化
これまで人道支援の焦点は前線地域に置かれてきた。しかし、住宅地を含む都市インフラへのロシアの攻撃が絶えないことで、集合住宅で暮らす人々のニーズが、はるかに複雑であることが浮き彫りになっている。
例えばキーウ在住のスヴィトラーナは、10階の部屋で3歳の娘アディナの世話を何とか続けている。「彼女は、暖房も電気も3日以上ない状態が続いたと話してくれた。それは混乱の最初の週のことで、私たちはすでに2週目、あるいは3週目に入ろうとしている。いまも多くの家族が、供給なしの生活を続けている。」と、ママザデ氏は語った。
ウクライナ政府からのこうした懸念に呼応し、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のハイメ・ワー氏は、これまでハルキウやオデーサへの攻撃後は「数日で」電力が復旧してきた一方、首都の状況はより厳しく見えると語った。ジュネーブの記者たちにビデオで語りながら、寒さで手をこすり合わせていたワー氏は、「キーウでは停電が長期化し、影響を受ける人口も多い状況に直面している。」と語った。
ロシアの全面侵攻開始から間もなく4年となるが、「子どもの生活はいまも、生存のことばかりに支配され、子ども時代ではなくなっている」と、ユニセフのママザデ氏は警告した。2025年に確認された子どもの死傷者は、前年に比べて11%増加したという。
ユニセフは、ウクライナの都市部で脆弱(ぜいじゃく)な人々を支えるため、大型の共同テントを支援している。そこでは体を温められるほか、ゲームや玩具で遊ぶこともできる。

「スヴィトラーナは、アリナを入浴させることも、温かい食事を用意することもできない。そこで娘に何枚も衣類を重ね着させ、暗い階段を10階分下って、ウクライナ国家非常事態庁が外に設置したテントに向かう」と、ママザデ氏は説明した。「そこでは暖を取り、温かい食事を得て、端末を充電し、心理士と話すこともできる。あるいは、ただ暖かい場所に座っていられる」
ユニセフは、暗闇の中で生活し、凍える寒さに耐えることが、身体面と精神面の双方で子どもにとってとりわけ深刻な影響を及ぼすと警告する。こうした状況は恐怖やストレスを強め、「呼吸器疾患などの健康問題を引き起こしたり、悪化させたりする恐れがある。」という。
「最も幼い子どもたちが最も脆弱だ」と、ママザデ氏は語った。「新生児や乳児は体温を急速に失い、低体温症や呼吸器疾患のリスクが高まる。十分な暖かさと医療ケアがなければ、こうした状態は急速に命に関わるものになり得る。」(原文へ)
INPS Japan/UN News
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