【Inter Press Service】
海面上昇、サンゴ礁の死滅、種の絶滅——。そんな見出しが世界を覆う中、多くの人は「失われていく物語」ばかりに目を向けがちです。
しかし、気候変動の最前線は、希望の最前線でもあるとしたらどうでしょうか。
ガラパゴス諸島からセーシェル、ニュージーランドからパラオまで、島々は異なる物語を紡いでいます。
それはレジリエンス(回復力)、再生、抵抗の物語です。
世界のシステムが停滞し分断が進む中、島嶼コミュニティは一歩先を行き、
緻密かつ緊急性をもって生態系の再生に取り組んでいます。
被害者ではなく、革新者として。
山から海まで、本来の生態系を回復することで、これらのコミュニティは「実践としての気候正義」の姿を世界に示しています。
その成果は明確です。
パルミラ環礁では、ネズミの駆除によって在来樹木が50倍(5,000%)に増加。
その樹冠は今、マンタが泳ぐサンゴ礁を守っています。
カマカ島では、100年もの間姿を消していた鳥が帰還しました。
これらは孤立した奇跡ではありません。再現可能なモデルなのです。
だからこそ、この6月、フランス・ニースで開催される第3回国連海洋会議(UNOC3)には、
世界中のリーダー、科学者、コミュニティの声が集まります。
それは単なるイベントではなく、チャンスです。
—— 島嶼主導のソリューションを広げるチャンス
—— 回復のための資金を源流に届けるチャンス
—— 先住民の知恵を世界の政策に反映させるチャンス
耳を傾け、学び、行動する場となります。
その一例が「アイランド・オーシャン・コネクション・チャレンジ」。
50のパートナー、20の生態系、1つのビジョン。
2030年までに40の島―海洋システムを包括的に再生**する取り組みです。
これは単なる環境保護運動ではありません。
気候正義であり、生物多様性の正義でもあり、食料安全保障、文化の継承、経済革新なのです。
しかもそれは、昔から土地と海のリズムを知るコミュニティ自身が主導しています。
地域の行動が世界の未来を形作る力があります。
解決策を実践している人々の声を届けることにも。
そして、権利を守り、生態系を回復し、希望を再生する活動を支援することにも力があります。
「島々の海」は再び立ち上がれるのです。
潮ではなく、決意によって。
ぜひ、ニースでのUNOC3に参加するか、この運動をフォローしてください。
科学を支援し、コミュニティを応援し、ソリューションを広めましょう。
今日、島に投資することは、明日の海を守ることなのです。(原文へ)
INPS Japan/IPS UN Bureau Report