【リスボンIPS=マリオ・デ・ケイロス】
11月11日に独立30周年を迎えるアンゴラだが、6世紀近くにわたる欧州のアフリカ植民地支配が終結してから30年の歴史でもある。
40年以上続いたポルトガル独裁政治を終わらせ、同国植民地の独立に動いた若手改革派将校グループ「国軍運動」の中心人物ヴァスコ・ロレンソ大尉は、IPSの取材に応じて「ポルトガル植民地の独立は、最後の植民地帝国の終焉を意味するものであり、重要な影響を及ぼすものであった。外国の介入に起因する内戦の困難など、新興独立諸国の状況は厳しいが、とりわけアンゴラをはじめ各国は国際社会において自らの立場を確保しつつある。アンゴラとモザンビークは、東ティモールの独立と南アフリカのアパルトヘイト廃絶に大きな影響を及ぼした」と述べた。
独立後30年を経た現在も依然ポルトガルの援助と投資に大きく依存しているアフリカの旧植民地諸国について、ロレンソ大尉はさらに、1996年に創設されたポルトガル語諸国共同体(CPLP:アンゴラ、ブラジル、カーボヴェルデ、ギニアビサウ、モザンビーク、ポルトガル、サントメ・プリンシペ、東ティモールが加盟)が今後果たす重要な役割を指摘した。
1961~75年の独立戦争後も2002年まで内戦が続いたアンゴラは、インフラ面でも社会問題の面でも疲弊している。だが、リスボンの新聞Diario de Noticiasによれば、こうした治安の不安やアフリカ一の物価高にもかかわらず、外国投資の流入がかつてなく伸びているという。その原因は、国際原油価格の高騰を背景に日産20億バレルを今や記録し、かつ今後5年で産油量の倍増が予想されるアンゴラの豊富な石油資源にある。
将来石油の輸出に果たすアンゴラの役割にもっとも関心を持っている国のひとつ中国は、アンゴラのインフラ再建を目的とする20億ドルの信用供与枠を最近設けた。また、通信、金融、土木、観光、農業、工業に関心のある外国投資家にとっても、今年は14.7%、来年は27%の経済成長が予測されているアンゴラ経済の魅力は計り知れない。
だがこうした高度経済成長にもかかわらず、総人口1,300万のうちの3分の2は1日2ドル以下の生活を余儀なくされており、清潔な水もヘルスケアも確保されていない。石油のみならずダイアモンド、コーヒー、水と、5,000万人を養うことのできる資源を有するとされているアンゴラの人間開発指数は世界で160位であり、腐敗防止活動を展開する国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」によれば腐敗汚職のもっとも深刻な国のひとつであるのが現状である。
被植民地国にとって独立とは何を意味するかについての議論を含め、植民支配終焉後の30年を振り返る。(原文へ)
翻訳=IPS Japan
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