SDGsGoal10(人や国の不平等をなくそう)|米国|難民申請した母親と7歳の娘が再会

|米国|難民申請した母親と7歳の娘が再会

【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】

残酷かつ恐ろしい出来事の末に、米国に難民申請していた母親と娘がシカゴで再会を果たすことができた。7歳になったばかりの娘は、2017年11月以来、母親から数千マイル離れた場所に収容されていたのだ。

この親子の代理人であるアメリカ自由人権協会ACLU)の弁護士によると、長らく引き離されていた親子は、再会の瞬間、思わず走り寄って抱きしめ合いながら泣き崩れたという。

Map of USA
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コンゴ民主共和国出身のエルさんは、「とてもつらい時期でした。こうして娘と再び一緒になれて感謝しています。私達親子を支援してくださった全ての方々に心からお礼を言いたい。」と語った。

ACLUの弁護士によると、コンゴ民主共和国から逃れたこの親子には、本国への帰還を恐れる信憑性のある理由があったという。しかし、親子が米国への入国に必要な書類を全て提出したにもかかわらず、入国管理当局は、少女が実の子ではないという誤解に基づいて母親を収監する決定を下した。

しかし、この女性が少女を虐待したり放置したりしたという証拠はなく、母親が収監されることになった理由についてもなんら説明がなされなかった。また、この少女(エス・エスちゃん)がエルさんの娘であるか否かを確認できるDNAテストも実施されなかった。結局のところ、エスさんがサンディエゴの施設から釈放され、DNA検査が実施されたのは、この問題に関する訴訟がおこされ、シカゴ・トリビューン紙をはじめとするマスメディアが大きく取り上げるようになってからだった。DNA検査の結果、エルさんとエス・エスちゃんは親子であることが証明された。

Lee Gelernt/ ACLU

ACLU移民の人権プロジェクトを担当しているリー・ゲラント氏は、シカゴ市内の集会で、「ACLUは、トランプ政権が、難民が米国に押し寄せるのを防ごうと、米国へ到達した難民家族を意図的に引き離していると確信しています。ACLUはエルさんとエス・エスちゃんのケースや、ブラジル人の母親と14歳の息子が今も遠く離れたテキサス州とシカゴで別々に収監されている事例など、数百にのぼる家族が不当に離れ離れになることを余儀なくされているとして、集団訴訟を起こしている。」

「これは実に恐ろしい事態であり、私達市民がこのような慣行を止めさせなければなりません。エルさんとエス・エスチャンを救出した事例は始まりに過ぎません。私たちはこれまでに数百人に上る子供たちが家族と引き離されている現状を見てきましたので、当局に対する訴訟を拡大しています。」と語った。(原文へ

翻訳=INPS Japan

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