ニュースボスニア・ヘルツゴビナ紛争の貯蔵武器をイラクへ

ボスニア・ヘルツゴビナ紛争の貯蔵武器をイラクへ

【ベオグラードIPS=ヴェスナ・ペリチ・ジモニッチ】

ボスニア・ヘルツゴビナ紛争終結のための1995年デイトン和平合意の重要点は、膨大な貯蔵兵器の破壊であった。 

しかし、ボスニアの日刊紙「Nazavisne Novine」およびクロアチアの日刊紙「Vecernji List」は、「9・11テロ攻撃後、米国の圧力によって貯蔵された武器/弾薬をアフガニスタンおよびイラクへ売却する命令が下され、少なくとも29万丁のライフルが米国内の民間企業に売却された」とのオーストリア人元UE軍メンバーの証言を伝えている(ライフルは、イラク/アフガニスタンの治安部隊用という)。 

Vecernji List紙は更に、サラエボを拠とする国営武器貿易企業ユニス・プロメックスのMaglajlija社長が、米国のスカウト社との取引を認め、「スカウトとの取引は国が承認しており問題はない。武器の最終売却先については知らない」と語ったと述べている。 

アムネスティ・インターナショナルが昨年発表した武器不法取引に関する報告書によると、2004年7月31日―2005年6月31日の間にボスニア/ヘルツゴビナ紛争時の小型/軽兵器数10万および数千万の弾丸が、米国防省の仲介で秘密裏に武器ブローカーの手に渡ったという。アムネスティーはまた、2004年12月の紛争の際にこれら武器の一部がルワンダにも送られたと述べている。 

平和維持部隊は、1998年以降5万2千の小型兵器、3万8千5百の地雷、22万5千の手榴弾などを回収しているが、UNDP(国連開発計画)および地元当局は作業完了には20年を要し、密売の危険性も高いとしている。ボスニア・ヘルツゴビナの貯蔵武器がイラク/アフガニスタンに密売されているとの地元新聞報道を紹介する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩 


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