【リオデジャネイロIPS=ファビアナ・フレシネ】
ブラジル国内にある推定1600万丁の銃のうち8割は一般市民が保有しているという。そのうちほとんどが未登録・違法なものである。
4月7日、リオデジャネイロ西方のレアレンゴで、ある学校の元生徒が60発の銃弾を放って12人の児童を殺害するという事件が起こった。これを受けて、銃所持を抑制するキャンペーンが政府・民間の両方で始まっている。
同じような動きは2004年から05年にかけてもあった。このときは、たとえ違法な銃であっても放棄すれば罪に問われないという方式が採用され、50万丁以上の銃を回収することに成功した。
非暴力の社会作りに取り組むNGO「ビバ・リオ」のルベム・フェルナンデス代表によれば、銃放棄の際に名前を出さなくてもよいようにするなど、いくつか改善できる点があるという。
NGO「ソウ・ダ・パズ」(私は平和を目指す)によると、ブラジル国内の銃は1600万丁で、そのうち政府部門が保有するのが200万丁。正式に登録されているものは700万丁しかないという。
フェルナンデス氏によれば、1970年代以来、ブラジルの殺人発生率は毎年上がり続けてきたという。2010年の故殺の件数は4万3016件である。
「ビバ・リオ」の推定では、銃放棄の取り組みが進んだことで、この2年間で5000件の殺人を減らすことができたという。
フェルナンデス氏は、銃放棄により熱心なのは女性だと話す。なぜなら、女性は、家庭内において男性による銃の利用に怯えているからだ。
他方、6年前には、銃販売違法化をめぐって国民投票が行われているが、60%の反対により否決されている。
ブラジルにおける銃蔓延の状況について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩